「愛されていない」「大事にされる価値がない」とお嘆きのお客さまに向き合う時には

鑑定の現場では喜びよりも「悲しみ」!?

占い業界に身を置いていると、お客さまからうれしい報告があることもありますが、ほとんどの場合うまくいかない、がんばっているけれど何も変わらない、とお嘆きのお客さまと向き合うことになります。

うまくいっている時に占いを使う人はほとんどいません。
ご自身で起業されている方であれば、自分の方向性に対する「答え合わせ」として占いを利用される方もいます。
ですがそういう方はごくわずか。
占いに来る方はにっちもさっちもいかなくなってやってくることが多いのです。
これから占い師をめざす人なら、ぜひともおさえておくべきポイント。

恋愛がそれ以外の面から影響を受ける!?

恋愛もスタートの頃はいろいろと楽しく、ただそばにいるだけでも、ほんの少しLINEなどでやりとりするだけでも、喜びを感じるものです。
しかし仕事はどうもうまくいっていないとか、ご近所で何か騒ぎがあったとか、よくないことが身の回りに起きると自分は大丈夫だろうか、被害にあったりしないだろうか、と何となく考えてしまうこともあるとのこと。
恋愛とはまったく関係ないことであっても「恋愛面にも影響が出るのではないか」と不安になる方もおられるのです。

そしてそこにお相手との連絡頻度が下がる、デートの回数が減る、というようなことが起きると、連鎖的に「何だか大事にされてないみたい、このままでいいのだろうか」とこれまた心配になったりします。
そのことばかりが気になり、仕事や趣味までおろそかになってしまうケースもありますね。

ひとつのネガティブが別のネガティブを引き寄せる!

占いの現場では「今すごくいいんですけど、このままいって大丈夫ですか? 」という相談より「どうも最近うまくいっていない気がするのですが、愛されていないのでしょうか? 」というような、ネガティブな印象の相談の方が圧倒的に多いのです。

そして何かひとつ心配事ができると、他のことに対しても次々に不安感があおられてしまうよう。
何だかもやもやした雲に全身をおおわれてしまったように感じる、と表現したお客さまもいらっしゃるとか。

正体は「愛」と「恐れ」

業界の先輩におうかがいすると、この「快(楽しい、喜びなどに通じる)」と「不快(心配、不安などに通じる)」の正体は「愛」と「恐れ」であるといいます。

スピリチュアル的な考え方では、世界を愛で満たすために人は生まれてくるそう。
ですから生まれた時、誰でも愛を持っているのだ、というのですね。
しかし育っていく過程で、誰かに傷つけられるようなことがあったり、危険に遭遇したりすると「これは大変なことだ。もうこんなことがあっては困る」と考え、こういったことを避けようとするそうです。
これが「恐れ」のおおもと。

つまりもともと「恐れ」というものは、自分の身を守るためには必要不可欠なものだ、ということができます。

しかしながらこれが過剰になってしまうと、かえって自分を苦しめてしまうことになります。
それは「愛」と「恐れ」は正反対のエネルギーとなるために、同時に考えることができないからだそうです。

「恐れ」に支配されてしまっている時には「愛」が不足してしまう、だからこそ「愛」を意識すること、感じることができなくなってしまうといいます。
逆に「愛」で満たされている時には「恐れ」を意識することがなくなるのだとか。

「恐れ」 > 「愛」が問題だった!

占いの現場ではよくありますが、先の連絡の頻度やデートの回数が少なくなってきた、という場合、特に先方から何か言われたわけでもないのに「他の人ができたのかもしれない」「愛されていない」「大事にする価値がないのかも」と訴えてくるお客さま。
これも「恐れ」から発せられていると考えられます。

先方から何も言われていないのであれば、思い過ごしである可能性もあります。
しかし「過剰な恐れ」が、その可能性を考える余裕さえも奪ってしまって、つらさやストレスを感じさせてしまっているのです。
これでは「愛」を感じることが難しいですよね。

ですから占い師は、何も証拠がないのなら深く考える必要はないこと、必要以上に恐れずにイヤな感情は手放してもかまわないこと、こういったことをお客さまにお伝えしてみましょう。
頭ではわかっていても、なかなか恐れを手放すことができないお客さまもいらっしゃいます。
すぐにできるようにならなくてもいい意識するだけでもかまわない、と、どうかやさしくお伝えしてあげてください。

「恐れ」に支配されているお客さまを楽にするには…

お相手との時間が少なくなってしまっているなら「ふたりでいたらできないこと」をおすすめしてみるのもひとつの方法です。
たとえば今まで挑戦できなかった新しい趣味を作ったり、楽器を習ってみたり、同性の友人と小旅行に出かけたり。
とにかく明らかに「楽しいな! 」と感じられることだけを増やして、不安や心配を忘れてしまうように心がけていただくのです。

「楽しい! 」「おもしろい! 」という気持ちで満たされてくれば、ちょっとした不安など不思議なほどどうでもよくなってしまうものです。
そうするとささいなことも気にならなくなり、気持ちにゆとりもできて、他のこともいい方向に回りだすと言われています。

必要以上に気にしてしまうお客さまは、それがクセになってしまっていることもあります。
気にする頻度を下げることから少しずつ始めてみるように、まずはお話ししてみてはいかがでしょうか。