これまでいろいろなハラスメントが社会問題になってきましたが、今一番問題になっているのがモラハラ(モラルハラスメント)ではないでしょうか。
しかしその延長上に共依存という恐ろしい傾向が出ていることが話題になっています。
モラハラとは?
そもそもモラハラとはモラルハラスメントの略称で、道徳的・倫理的に反している嫌がらせのことを指します。
精神的DVなどと言われたりもしていますね。
軽度な場合はちょっと自己中なのかな、とか、少し強引な感じなのかな、と錯覚しやすく、気づくのが遅れることもあるのだとか。
またご自分に自信がなかったりすると、嫌われるのがイヤで盲目的に従ってしまう傾向も見られます。
実際占い師として鑑定をしていると、もしかしてモラハラではないだろうか? と感じることがあります。
相談者側からのエピソードや受け答えから、何となくそういう雰囲気がわかってくるのです。
よくモラハラというと、夫婦間にあるようなイメージがありますが、実際は交際中のカップルや、片想い中の状況であってもみられることがあります。
実は相手に対して心理的依存傾向が強いと、モラハラを仕掛けやすいということがわかっているのだそうです。
共依存とは?
このモラハラ仕掛け側の人が依存できるようなベースを、相手側が知らず知らずのうちに提供してしまう、この流れが共依存です。
もちろんモラハラ問題をかかえている人すべてにあてはまるわけではありません。
共依存のあるなしにかかわらず、モラハラ問題は存在しています。
しかしながら共依存というものが、ネガティブなイメージでとらえられてしまっているために、自分が共依存だと気づいた時点で深く傷ついてしまうケースがある、これが問題になっているのです。
なぜ男性が仕掛ける側になりやすいのか?
さてこのモラハラですが、実は男性の方が仕掛ける側になりやすい、ということがわかっています。
なぜなのでしょうか?
その理由のひとつとして考えられているのが「ジェンダー不平等」。
日本ではいまだにどことなく男性優位な風潮が抜けきれていないと感じませんか?
特にある程度の年代以上の方は、男尊女卑傾向が強い時代を経験されていることもあって、その風潮の中で育ったお子さんたちが親になった時「親がしていたのと同じように」してしまうというのですね。
つまり「男はエラくて女は格下」というような考えが、ベースとして刷り込まれやすかった環境の人がまだたくさんいる、ということです。
先のオリンピックの時にも男尊女卑的な発言が出て問題視されていましたが、やはりけっこうな年齢の方でした。
このような「男性優位型」の社会において、どうも男性側が加害者になりやすい傾向があるのですが、もちろん女性の社会進出を期に女性側のモラハラも出てきてはいます。
しかしそれでも圧倒的に男性が加害者であるケースの方が多いのだそうです。
パワハラとどう違うの?
またモラハラと似たような雰囲気のものに「パワハラ」がありますが、パワハラが職務上の人間関係を利用するのに対し、モラハラは必ずしもそれがありません。
同僚間でも起こり得るわけです。
当然のことながらパワハラは基本的には職場で起こる問題ですが、モラハラは職場に限りません。
家庭内やサークル活動でも起こるのです。
またパワハラの場合、暴力的な「行為」があることもありますが、モラハラは基本的には言葉や態度による暴力であり、身体攻撃は含みません。
次回はモラハラになるバックボーンや対策について考えていきましょう。