【お客さま素朴なギモン】エラそうな物言いに耐えられません

鑑定中にふとお客さまから寄せられる「素朴なギモン」にフォーカスするシリーズ。
「急に言われても…」とあわてることなく、転ばぬ先の杖的に知っておいて欲しいお話をご紹介していきます。

Q. 今ではパワハラとかアカハラとか、ハラスメント系がニュースになる時代ですが、それ以前からエラそうにあれこれ言われて傷ついてきました。
これだけニュースになっても相手が変わらないので、どうしていいかわからなくなっています。

やたら矛先を向けられる!

親御さんから「誰が育ててやったと思っているんだ」と言われ、配偶者からも「誰が食わしてやっていると思っているんだ」と怒鳴られるとお悩みのお客さま。
いつも怒鳴られっぱなしでは誰しもつらいですよね。
なぜこういう言い方をされなければならないのでしょうか。

こういった発言の多くは「自分の思い通りにならない行動・言動が相手に見られた」ことが原因です。
大人がすぐにニトログリセリンのごとくカッとなって激昂するのはいただけませんね。
また自分の意見をきちんと言っているのに「口答え」でひとくくりにされ、さらに怒鳴られるというのです。
しかもお話をきいてみると、かなり多くの世代でこういった悩みをかかえている方が多いようです。

「怒り」について考える

まずは怒りについて考えてみましょう。
怒りというだけで何やらすさまじいエネルギーをイメージしてしまいますね。
その「すさまじいエネルギー」をうまくコントロールできないとエラいことになるな、と想像できるかと思います。

キレてしまう人、八つ当たりをする人、怒りをぐっとこらえて飲み込んでしまう人、いろいろなタイプの人がいます。
必要以上に抑えすぎてしまうことも問題ですが、強いエネルギーだけに取り扱いには注意が必要。
そして「手厚いケア」も同時に必要になるのです。

よく怒りは二次感情である、と言われています。
もともと別の感情があって、それが怒りに変わるためにそう呼ばれています。
となると、この「もともとのべつの感情」の状態でうまくケアをしてあげればよいわけですね。

しかしながら人間の脳の反応は思っていた以上に素早い反応を示してしまうため、その「もともとの別の感情」が非常にわかりにくいという背景があります。
ですので怒りに変化してしまったとしても、もともとの感情はどんなものだったのかな? と冷静に考えることでケアもしやすくなるのです。

たとえばLINEの返信が遅い、イライラする、という状況で1週間、10日もたって「あーあの件だけど」とさらっと返信がきた、と仮定してみましょう。
今さら返信か、腹の立つやつだ!! と思い、そのままぶつけると相手も驚いてしまうかもしれません。

ではこの場合、元の感情は何でしょうか?
返信をもらえないことで「心配」をしたのでしょうか?
連絡がないと「不安」になったのでしょうか?
それともないがしろにされたと「淋しさ」を感じたのでしょうか?
こういった「最初の感情」について伝える方が好ましいといえます。

では「怒鳴られる前の感情」は?

最初の例のように親御さんや配偶者から怒鳴り散らされる、という場合も、同様にもともと別の感情が存在していたのです。
そこには「本当はこうしてほしかった」という部分が隠れているということ。
何かを言われ、何かを返して「誰がこうしてやっていると思っているんだ!」と言われるとするなら、

○○してもらえなかったことが△△だと感じる

という例文に穴埋めをしてみてください。
冷静になってこの穴埋めをしてみることで、相手の隠された気持ちに気づくことができます。
一方で「○○してもらえなかったこと」というのは、自分が望んでいたこととは逆の内容であり、その事実を自分が受け入れることが苦しいので怒ってしまう、と考えることもできます。

自分の考えが受け入れられない ⇒ 自分のことをわかってくれない ⇒ 自分のことをわかってくれる人は誰もいない ⇒ 非常につらい

こういった図式になって傷ついていってしまいます。
そして多くの人はこんなことを知りませんから、なぜ怒鳴られているのかわからず、どんどん距離をとろうとします

ひとり暮らしで実家には寄りつかない。
配偶者と一緒にいたくないから別居や離婚に踏み切る。

ですがもうわかりましたよね。
怒っている人 = つらい人なのです。
傷ついている人なのです。

こういう考えの人もいる、ということを知ろう

人間誰しも同じではありませんから、こういう違う考えの人もいる、と認めることが大切です。
このような容認ができる人はカンタンに怒ったりしないのだそうです。
自分をしっかり認め、またまわりからも認められ愛されているという実感があると、他人のことも大切にできるのです。
「認められていない」と傷つき、それが怒りに変わっているのであれば、その意見をまずは受け入れてあげる、というのもひとつの方法です。

距離をとるのではなく、話をきいてくんであげてみてはいかがですか?
怒っている人のメカニズムをよく知っていけば、変化させていくことは十分に可能です。
最初からうまくいくことはないかもしれませんが、話をきいてあげるだけでもよいのです。
続けていくうちに少しずつ変化が出てくることでしょう。