【お客さま素朴なギモン】人に頼れず何でもひとりでやってしまうのです

鑑定中にふとお客さまから寄せられる「素朴なギモン」にフォーカスするシリーズ。
「急に言われても…」とあわてることなく、転ばぬ先の杖的に知っておいて欲しいお話をご紹介していきます。

Q. 昔から何でもひとりでやってきて、人に頼るということができません。
こんなことも知らないのか、と言われそうでたずねることもなかなかできないのです…

頼れる人と頼れない人がいる

職場の中でも、人にあれこれお願いできる人とそうでない人がいます。
うまく甘えていくことも処世術のひとつかもしれないのですが、なかなか人に頼れない、甘えられないというご意見もききます。
本日はこれについて考えていきましょう。

中には「男に媚びる女がイヤ」「甘ったれているのを見るとムカつく」という方もいらっしゃいます。
そしてそれはなぜなのか、というと「そんなことやるのは恥ずかしい」「やろうと思ったことすらない」というお答え。
ではどうしてそういうお気持ちが出てくるのでしょうか。

こういう方に共通することは育ってきた環境です。
特に家庭内での環境が大きく影響しています。

たとえば共働きのご家庭で育った方ですと、両親ともに仕事をしていますから、あまり構われていないまま大きくなっていきます。
そのため「親に迷惑をかけてはいけない」「自立しないといけない」という価値観が生まれやすく、人に頼らず自分で解決していこうという人になっていくと言われています。

逆に専業主婦のご家庭の場合、父親が亭主関白的な側面を持っていて、母親が文句ひとつ言わず召使いのようにつき従っているという時代がありました。
こういうご家庭に育つと「自分はあんなふうになりたくないから早く自立しよう」「男にエラそうにされない女を目指そう」という意識が芽生え、大人になっていくのだそう。
いずれも無意識のうちにその価値観をかかえたまま社会に出ていくことになるのです。
それに加え、親御さんの価値観も引き継いでいくようになります。

「○○歳になったら結婚して子供を産むのが幸せ」
「いい大学に入らないと就職もできない」

というようなことを言われ、そういうものだと何の疑いもなく何年も信じている人が少なくありません。
当然人の目を気にしなくてはならない、という思いにしばられやすくなります。
特に日本の社会においては、突出しない横並びでみんな一緒が素晴らしい、という風潮が長くありましたので、自分が思っていることを口にすると目立ってしまうため、そんなことをしてはいけない! とブレーキをかける人がたくさんいたのです。
そのために

この仕事もうイヤだけどイヤなんて言っちゃいけない
できないとか言っちゃいけない

こういうしばりも出てきてしまい、なおのこと人に頼ることが難しくなります。

一方で「えー、これできなーい、お願い、やっといて」というような、甘えモード全開の人もいます。
昭和的な言い回しをすれば「女を武器にしているような人」。
これに嫌悪感を感じるようになっていきます。

実は母親からの影響が大きい

先ほど「家庭内での環境」の影響が大きい、「親御さんの価値観」も引き継ぐ、というお話をしました。
とりわけ母親からの影響が大きいということがわかっています。

たとえば母親が極度の心配性だと、自分だけではなく配偶者や子供など自分以外にも「あれはどうなっているの」と気をまわします。
そうすると子供も他人に気をまわすのが当たり前だと思って育ちますので、同じように他人に対してもあれはどうなっていますか、これはどうですか、と気をまわすようになるのだそうです。

このまま社会に出ると、仕事を頼んだのになかなかやってくれない同僚や、納期の返事を素早く返さない取引先などにイライラするようになってしまうのです。
それに加えて「自分の意見を言っちゃいけない」が出てきて、イライラするものの言えないままモヤモヤするという図式に。
そこに「えー、これできなーい、お願い、やっといて」というような人が出てくるとさらにご立腹…というループになっていくわけです。

思っていることを口にできない
理不尽だと思っていても口にしてはいけないからガマンする

これがずっと続いていくと、誰にも頼らずひとりでがんばるので「仕事のできる人」にはなれるでしょう。

ほんとうはしんどいのにしんどいといえない。
そのつらさを仮面の下に隠し、ひたむきにまたがんばる。

その結果弱い部分を見せることが恥ずかしいと考えるようにさえなるのです。
結果として壁をまわりに設置しているようになってしまって「何だかあの人は機械みたい」「話しかけづらい」というような印象を与えて本当に孤立してしまいます。

声をあげていい!

お願いをしてもいいのです。
できないことはできないと言っていいのです。
その方がよっぽど人間らしいのだ、ということを占い師側も理解し、お客さまにお伝えしてあげてください。
これは占い求人に応募した際の実技試験においても同様で、こういうバックボーンを持った人からの相談、と感じたならお話をききながらアドバイスにつなげるのもひとつの方法です。

しかしながら、キライとかやりたくないとか、そういうワードを言うことはなかなか勇気がいることでしょう。
イヤということで自分に対する印象がマイナスになる、とか嫌われてしまうのではないか、といった理由で「言わないでおこう」というのではなく、本音の部分をさらけ出すことが重要。
このままいけば溜め込みすぎて体調を崩してしまうかもしれません。
ひとりでかかえこまなくてもいいのです。

必要に応じてまわりを上手に使っていくように、まずはトレーニングをしていきましょう。
ささいなことから少しずつ手放して「お願い」に変えていくのです。

あくまでこれはトレーニングです。
ですから練習しないと身につかないことだと心得ましょう。
少しずつでかまわないので、できないことはできないと声をあげてみてください。
本音を出すことで、より自分らしく過ごせるようになることでしょう。