【お客さま素朴なギモン】誰とつきあっても他にもいい人がいそう、と上ばかり見てしまいます

鑑定中にふとお客さまから寄せられる「素朴なギモン」にフォーカスするシリーズ。
「急に言われても…」とあわてることなく、転ばぬ先の杖的に知っておいて欲しいお話をご紹介していきます。

Q. 昔からモテない方ではないのですが、つきあっているうちにもっといい人がいるんじゃないか、と思い始めうまくいかなくなります。
年齢的にも結婚を考えたいのですがどうすればいいですか?

もっといい人がいる、と感じることはよくある

誰に対しても本気になれず、他にもいい人がいそうだから深入りしないでおこう、という気持ちになることがあります。
上を目指すのは決して悪いことではありません。
特に結婚まで考えよう、となるとベストな相手とじゃないとイヤと感じる方は少なくありません。
どうしても人間ですから、もっともっとという感覚が出てきてしまうのです。

たとえばずっと憧れていたブランドジュエリーを、一生懸命お金をためてようやく手に入れた時のことを思い出してみてください。
それまではあんなに欲しくてたまらなかったはずなのに、いざ家に持って帰ったら引き出しにしまってまったくつけずにそのままにした経験はないでしょうか。
そしてまた違うデザインのものが欲しいと感じる、この感覚に似ています。
人間の場合、つきあっていくうちに慣れてしまい日常感が出てきます。
これまでふたりが会うのは「非日常」であり、日常の仕事などとは別の扱いだったのかもしれません。
しかしつきあいが始まるとそれは「日常」になってきます。

もっとわかりやすいのは略奪愛の類でしょう。
背徳感もあり、ふたりが会うのは「非日常」でした。
しかしこの略奪愛が成就した時、それは「日常」になります
ふたりが一緒にいるのは「当たり前の日常」になるので、昔ほどときめきがなくなるのです。
不倫や浮気の原因も、こういう面が元になっているという意見があるほどです。
当たり前の日常のよさに気づかないと、他に他にと目を向けてしまいやすいのですね。

だんだん見えてくる「素」の部分

特に交際するふたりが日々を過ごしていくうちに、いい面だけでなく悪い面も見えてきます
いつもはしっかりしてそうなのに、家に行ったら洋服が脱ぎっぱなしだったとか、靴がそろえておいていなかったとか、何だこれはと思うようなことがいろいろ出てくるかもしれませんね。
まあこのくらいしょうがないよ、と最初のうちは感じることもあるでしょう。
しかしやんわり注意してもまったくなおっていないと、人によってはイライラしてきます。
何か期待はずれだな、と感じる時「もっといい人がいるんじゃないか」と思うこともあるようです。

しかしおそらくこれまでも、同じようなタイミングで他にもいるのではないか、と感じて他の人に目をやったところで、最終的には同じようなパターンになっているのではありませんか?
欲を出すことは決して悪いことではありません。
ですが、多少の悪い面はご愛嬌ととらえ、おおらかな目で見ることも大切です。
意外に「あれ、前の人の方がまだマシだった」と感じることもあり得るでしょう。
これではいつまでたっても幸せにはなれません。
誰とつきあっても変わらない可能性が高くなります。
これから占い関連の求人に応募した際の実技試験や、実際プロデビューした後にお客さまに向き合った際、こういった相談が寄せられたらこんなバックボーンがないかどうかよくきいてみるといいかもしれません。

長い交際の末結婚したカップルはどうか?

一方で何年も交際し、その後結婚し幸せにしているカップルも存在します。
そういうふたりは基本的には極端な高望みはしていません
どんな面があったとしても、その人として受け入れているように感じます。
お互いを思いやり、かけがえのない存在として尊重しているような部分があり、見ていて憧れてしまいますよね。

やはりそういう方に話をきくと、細かいことはいちいち気にしない、とおっしゃっています。

「こうしてもらいたいな、という気持ちがあったこともありますけど、まあ相手に期待しても仕方ありませんからね」

要するに相手になおしてもらうのではなく、自分でどうしたらこういう面を許してあげられるのか、ということに意識を回しているようです。
この程度なら仕方ないか、と容認できる部分が多ければ多いほどうまくいきやすいのですね。
確かにアレはダメ、コレはダメとどんどん制限していってしまえば、窮屈に感じますし、長続きしようとしても難しいのでしょう。

誰しも完璧な人間など存在しません。
理想の追求は悪いことではありませんが、どこかですり合わせをする必要があります。
どこまでを許せない範囲とするか、どこまではご愛嬌とするか、このあたりをしっかり決めておくとよいでしょう。
いい面も悪い面もその人自身です。
それらをひっくるめて「この人が好き!」といえるのが本当の理想なのかもしれませんね。