キーワードにとらわれすぎていないか?
特に本でタロットなどカードの勉強をされた方は、カードのキーワードを中心に覚えました、とおっしゃいます。
しかしながら、独学ないし講座でそういったキーワードを知った方は「なぜそのキーワードが出てくるのか」までは学ばれていない印象です。
業界でもたびたびそんな話が出てくるのですが、カードの解釈はキーワードにとらわれる必要はないと考えます。
たとえば1枚のタロットカードを引いた時に、
中央の人物の雰囲気 (楽しそう、やる気がみなぎっているなど)
カードの背景の色 (おどろおどろしい、さわやかなどのイメージ)
カードに描かれたモチーフ (蝶が飛んでいる、光がやたらに目立つなど)
カードの数字 (通し番号の他、絵柄の中に隠れていることも)
登場人物の表情 (どう感じるか?)
それぞれ注目する視点が違うことがわかります。
でも同じカードですから、どれも解釈としては正解なのです。
大アルカナのカードを4枚引いたら、1枚のカードの赤い色が異常に目立っていて、そこを中心に読んでみた、という方もおられました。
カラーセラピーなどの知識があると、この「色」についてもっと深く語れることでしょう。
多角的に1枚のカードを判断してみる
このように、1枚のカードに対してもいろいろな角度から読み解くことができることがわかります。
なぜこのキーワードがこのカードに割り当てられているのか? という観点から考えてみるのもいいですし、そのカードが生まれた背景など、他の書籍からたどってみるのもおもしろそうです。
そうすると割り当てられたキーワードが生まれた理由がわかってきて、お客さまに対しても深く語れるようになるのです。
業界の方からこんなエピソードをおききしました。
講座の生徒さんが、たまたま他の方を占った時にペンタクル(=コイン)のカードが出たそうなのですが、ペンタクルの意味を忘れてしまったそうです。
そこで「黄色くて丸いものって何だろう? 」と考えた末に「黄色くて丸い、パインアメが幸運アイテムですよ」というようなことをお客さまにお話ししたのだそうです。
いくら何でもコインとパインアメって飛躍しすぎじゃないだろうか、と後で思い返したそうですが、お客さまはそれを真に受けてパインアメを仲良くなりたいと思っていた方に差し上げたのだそう。
するとそれをきっかけに食事に行くことができたというので大変よろこばれたというお話でした。
このぐらい、自由な発想でとらえてかまわないのだという好例ですね。
キーワードにとらわれすぎるとこんな問題が…
中にはキーワードに寄せようとしてつじつまが合わなくなり困ってしまった、というお話もききます。
よくきくのが仕事の話を占っているのに恋人たちのカードが出た、というもの。
恋人たちのカードが恋愛のカードだ、と思いこんでしまっているとそうなってしまいますね。
しかし仕事が恋人、という考え方をすることもできます。
そこから今は恋愛モードではない、と発展させることもできます。
キーワードはいったん忘れ、カードだけを見て感じることを述べる形でもいいのです。
キーワードをおろそかにしてはいけない、という縛りをなくすだけでも、さまざまな解釈が広がっていきますよ。
ちなみにフェリシモさんで人気になっているタロットのレッスンプログラムでは「カードを丸暗記しない読み解き方をする」ことがひとつのウリになっています。
カードからイメージをふくらませる練習をすることが大切なのですね。