なぜそもそも「悩み」は生まれてしまうのか

悩みがなくなったら占い師は失業してしまうのではないか、と言われますが、さまざまな「欲」がなくならない限り、占いの仕事はなくならないといいます。
しかしそもそもなぜ悩みというものは生まれてくるのでしょうか

そんなこと、考えたこともなかったけど…

悩みなどというものはあるのが普通で、ない方がおかしいという方もいらっしゃいます。
そう、多くの人は多かれ少なかれ何らかの悩みをかかえた経験があることでしょう。
ではいったいなぜ悩みが出てくるのでしょうか。

これまでの経験から考えてみてください。
おそらくまわりと何かが違うとか、自分だけができていないとか、そういうところから生まれてくることが多いと感じるかもしれませんね。
ではなぜそれが悩みにつながっていくのでしょう?

「みんなと一緒」に必要以上に合わせているせい?

その根底には、日本が昔から美徳としてきた「みんなと一緒がいい」という、もはや古い神話のようなものをずっと引きずっているという現実があるのです。
だからこそ「まわりができているのに自分だけができないのはおかしい」というような考えにつながりやすく、それが本人を非常に苦しめる要因となり得るわけです。
この「みんなと一緒がいい」という考え方が、必ずしも当たり前ではない、ということにまず気づく必要があります。
「みんなと一緒がいい」と考え、そこに近づこうと”自分で決めて”向かっていく場合は別にして、必ずしも一緒でなければならない、ということはないからです。

それぞれその人らしいよさ、まわりとのかかわり方というものが存在するので、それを生かしていくということが大切です。

今は多様性が叫ばれているけれど…

特に令和の時代となり、多様性が叫ばれるようになってきてはいますが、まだまだこの古い価値観にしばられている方が多いようです。
もちろんそれだけではなく、悩みにはいろいろな要素がからまり、またそのバックボーンもそれぞれ違ってきていることでしょう。

だからこそ占い師はうわべだけを見てありきたりの話をするのではなく、お客さまの話をまずよくきくこと。
必要に応じてメモはきちんととりましょう。
そして自分の時代はこうだったからきっとこうである、と決めつけた話をすることのないようにしたいものです。
占いの場をうまく使って、お客さまとともに問題を解決していくのだ、というスタンスでいるのもひとつの方法です。
これは占い関連の求人にこれから応募する時にも、面接や実技試験で見られているとされるポイント。
十分注意しましょう。

どうやってお客さまの「本当の問題」をさぐるの?

最近の傾向として、本当の望む答えはその人の中にある、という考え方があり、いかに1回の鑑定の中でその部分を外に引っ張り出せるかがカギである、とさえ言われているのです。
その媒体のひとつとなるのが他でもない、タロットなどのカード類。

お客さまの中には、その「自分の本当の望み」がぼやけてしまっていて、結局何がしたいのかわからなくなってしまう方もいらっしゃるのです。
その表面化しきれていない部分をあぶり出すのに、しばしばタロットが使われたりします。

このタロットはこういうカードなのですよ、という説明をしっかりしていくうちに、お客さまの方から「あれ、お話をきいていて思ったのですが、これってもしかして…」と思い当たるエピソードを話してくださることも。
なので当てに行く必要もありませんし、占い師側からのアドバイスも不要です。

え、でもアドバイスカードってありますよね?

カードを使った占いにおいては、アドバイスカードというものも確かにありますが、それは占い師の目線でのアドバイスではなく、同じようにこれはこういうカードなのですよ、という説明をしっかりするだけ。
占い師や、いわゆる世間一般の考え方や価値観をアドバイスとして寄せて出すわけではありません

当然ですが、こういったカードがお客さまが思い出したくない、考えたくもない、黒歴史的な話を表面化させてしまうこともあるでしょう。
しかしそれはフタをすることでも、なかったことにすることでもなく、やはり向き合わなければいけない部分なのだということはきちんとお話しするようにしてください。

忖度するか、本音を話すか、どちらの占い師になる?

このように状況によっては、とても厳しい話をお客さまにしなければならなくなってしまうこともあります。
いいことだけを言って、お客さまに喜ばれる占い師になるのか、それとも厳しいけれどためになる話をして目覚めさせてくれる占い師になるのか。
みなさんはどちらでしょう?

さて何のために占いをしていこうと考えていますか?
占い師になる上で、ぜひ自問自答していただきたいところです。