【お客さま素朴なギモン】寝ている時間がもったいなく感じて…

鑑定中にふとお客さまから寄せられる「素朴なギモン」にフォーカスするシリーズ。
「急に言われても…」とあわてることなく、転ばぬ先の杖的に知っておいて欲しいお話をご紹介していきます。

Q. 寝ている間にライバルに出し抜かれるのではないか、という気持ちが強くて、途中で目が覚めてしまうことがよくあります。
何だか寝ているのがもったいなく感じてしまうのです…

昔は睡眠時間を削ってまで働いていた!?

昔はモーレツ社員などという言葉があったように、睡眠時間を削ってでも働き続けることが美徳とされていました。
オフィスには「売上倍増」などと書かれた紙が多数貼られ、朝から晩まで営業にまわらなければいけないとか、夜中に会議をするとか、今では考えられないことを当たり前のようにやっていたのだといいます。
しかし現代ではそういう風潮は下火になってきているようですね。
オンオフの切り替えをきちんとする人が増えてきているのです。

一番の理由として、昔は当たり前だった終身雇用制度が当たり前でなくなってきたことがあるのでしょう。
多くの高齢者が会社に入ればあとは安泰、という考え方をいまだにしていることからも、この終身雇用制度のすごさが見えてきます。
特に会社に尽くせば尽くすほど、当時は実入りも多かったそうです。

しかしながら終身雇用と年功序列の中でがんばってきた世代は、若いうちの苦労は買ってでもしろ、とか、下積み時代は重要だ、ひとつの会社を勤め上げてこそ一流、といった価値観を植えつけられてきており、残業もいとわずやったり、会社に泊まりこんだりということも平気でこなします。
そのためこういう世代が直属の上司や先輩になってしまうと、同じような価値観をぶつけられてくるというわけです。

働き方は多様化しているはず…

令和の時代になって、コロナ問題をへて働き方も多様化してきました。
能力主義も導入されてきており、だらだらと残業をする社員の方がむしろ「給料泥棒」とみなされる風潮すらあります。

しかしながら特にまわりと合わせることが美徳とされている日本人は、どうしてもまわりから浮かないようにと考え、みんなが残業しているのに自分だけ帰るのは…と考えがちなのです。
そのため仕事は自分で見つけろ、と上に言われたがゆえに「見つけるためにまわりに合わせて残業」「見つかるまで帰れない」「結果睡眠時間を削って早く出社して見つけようとする」というサイクルに陥ってしまうよう。
これから占いの求人に応募しプロデビューした後に、こういった悩みのお客さまに当たるかもしれません。
このようなバックボーンをおさらいしておくといいでしょう。

本当に睡眠時間を削る必要があるのか

改めて考えていただきたいのですが、今しようとしていることは、睡眠時間を削ってまでする意味があることなのでしょうか。
たとえば自分のキャリアやスキルを上げるために、プライベートを多少犠牲にする、という考え方はアリです。
それは後々自分にとって財産になり得ることだからです。

自分のこれからの地位や給料を上げるためにがんばる

それならばご自身でも納得しているでしょうし、多少つまづくことがあっても目標があるだけに熱意をもって取り組むことができるはずです。
しかしそうではなく「まわりがやっているから」「自分だけ早く帰ると浮いてしまう」というような、何かと理由をつけて会社にいる、というのはいかがなものでしょう。
プライベートな時間はムダである、という考え方があるのでしょうか。

しかしそんなことはありません。
誰でも仕事ばかりで息を抜くところがなければこわれてしまいます。
中には入院先でもパソコンとにらめっこして仕事をしている方もいます。
堂々と身体を休める環境にあるにもかかわらず、わざわざ仕事をするのは何のためなのでしょうか。
おそらく寝ている時間さえもムダだという考えなのでしょう。

起きている時間が長ければ確かにいろいろなことに時間を使え、有意義になりそうに感じるかもしれません。
しかし睡眠は人間の三大欲求のひとつに数えられるほど重要なものであり、その重大要素を削るわけですから必ずどこかでシワ寄せがやってきます。

せっかく出勤しているのに頭がぼーっとして会議も上の空
取引先がきてくれているのに、話が頭に入ってこない

これではむしろ「ムダに起きている時間が長い」ということになってしまいます。
睡眠中には記憶の整理が行われるという大事な役割もありますので、必要以上に睡眠時間を削ると大きな影響が出ますし、何より疲れが完全にとれません。
どうしても今日はここまでやりたい、という強い意思でもない限りは、睡眠時間を削るべきではないと考えましょう。

しっかり休むからこそ、パワーチャージされ次の日元気に仕事ができるのです。
睡眠時間も人生の一部なのだ、というご意見もあるほど。
決してないがしろにしたりムダなものと位置づけたりしてはなりません。

仕事が終わったのであれば、堂々と定時で退社しましょう。
それに対し、翌日に「早く帰るくらいなら手があいてるんでしょう、もっと仕事しなさいよ」と言わんばかりに仕事をあてがわれたり、陰口を言われたりするような職場であるなら、それこそ問題と考えるべきです。
寝ている時間はもったいなくありません。
むしろ重要なことなのでないがしろにしてはならないのです。
今日からは最低でも7時間は睡眠に時間がさけるように努力してみてください。