大きくわけてふたつの意識がある!
人間には大きくわけて2種類の意識が存在します。
潜在意識と顕在意識ですね。
潜在意識は無意識とも言われ、ふだんはなかなか認識することができません。
本能的な欲求などを含むものになります。
いっぽう顕在意識は表立って出てきているものですので、理性や知性などが含まれます。
しかしながら潜在意識と顕在意識はフィフティ・フィフティではありません。
よく氷山にたとえられているのをご存知の方もあるかもしれませんが、顕在意識が2~3%くらいであるのに対し、潜在意識が97~8%ほどとされているのです。
2人と98人が綱引きをしたら…?
それほどに、潜在意識が人間に与えている影響はとても大きいものです。
潜在意識に引っ張られてしまうと…
なかなか目標が実行できないという方は、もしかするとこの2つの意識に大きな差がありすぎ、ジャマしてしまっているのかもしれません。
たとえばデート用にワンピースを買おうと出かけたはずなのに、気づいたらいつもはいているようなワイドパンツを買ってきていた、というのは、潜在意識が「ワンピースよりパンツの方が似合うよ」と感じているからです。
明日レポートを提出しなければいけない学生さんが「今日やらないとまずい!」と思いつつ、テレビがおもしろくなかなか手をつけられない、というのも「レポート書くよりテレビ見る方が断然楽しい」と潜在意識が引っ張ってくるからなのです。
逆にレポートを書くのが楽しいと思っているのであれば、難なくスイスイとこなせますし、まったく苦になりません。
このようないわゆる「好き嫌い」の領域も潜在意識が司っています。
すなわちこの2つの意識にこういった差がなくなれば、何ごともすんなりコントロールできるようになるのです。
驚異的なパーセンテージの潜在意識!
しかしながら先ほども述べたように、潜在意識は97~98%という驚異的な影響力を持ちます。
そのためにどうしても潜在意識に引っ張られてしまい、思ったような結果が得られにくいことがわかっています。
先ほどのレポートが好きか嫌いかというエピソードでも、
レポート = やりたくない! おもしろくない! = 嫌い
テレビ = 楽しい、何時間でも見ていられる = 好き
というイメージが潜在意識の中に入っているのだと考えられます。
すなわちこれがレポートを書くのが楽しい、大好き、に変わっていけば、好きなことは自然と続けていけますから苦にならなくなるわけです。
もちろんレポートでも運動でも同じことです。
そのためにはこの潜在意識をどう扱うか? がひとつのテーマになってきます。
つまり潜在意識でイヤだなあ、気に入らないなあと思っているところを楽しい、大好き、面白い、ハマる、などに変換することが必要であるということです。
97~98%もの領域を変換する、なかなかの大仕事であることは想像に難くありません。
しかし「好きを増やす」ことで潜在意識の受け皿が広くなるわけですから、腰が重くなるのを減らすチャンスになると思いませんか?
なぜ好き嫌いが生まれるのか?
そもそもなぜ「嫌い」だったり「好き」だったりするのでしょうか?
あるいは何をきっかけに「嫌い」になったり「好き」になったりするのでしょうか?
これまでに身についてきた習慣や価値観などにより、これはいい、これはダメと無意識のうちに実は判断をくだしているのです。
たとえば親御さんが酸っぱいものが苦手だったりすると、食卓に酢の物が並ぶことはあまりないのだとか。
そうなるとその家のお子さんは酸っぱいものがどういうものかわかりませんから、旅行先で酢の物が出ても「おいしいかどうかわからない」と手をつけることがなくなるのだといいます。
こんな例もあります。
ある外国人の方が、タコが墨を吐きながら海の中にいる映像を見て「気味が悪い」と感じたそうです。
仕事で日本に来てその話をした時、取引先の日本の会社が夜居酒屋に連れていき、黙ってタコ焼きを食べさせたのだとか。
「これは何ですか。実に美味いですね」
「ああ、それですか。あなたが先ほどグロテスクだと言っていた墨を吐く生き物ですよ」
そう笑いながら答えると、外国人はギョッとしたものの、
「本当なのか? 信じられないな。食べたらこんなに美味いなんて」
結局3人前もおかわりされたということです。
このように「気持ち悪い」が一転して「美味い」に変わる例は多くはありませんが、潜在意識としてはマイナスイメージだったものがプラスイメージに変わって、新たに「タコは美味い」という価値観が生まれました。
「タコは美味い」が根底にあるのですから、他のタコ料理にもすんなりなじんでいけるでしょう。
潜在意識の「苦手」をプラスに変換できれば…
このように苦手な価値観をプラスに克服していくことにより、いろんなことがやりやすく、また結果も残せるようになっていきます。
言い換えれば最初のレポートの例のように、苦手な価値観をそのままにしておくと、新しい他の何かに対してもやらずして苦手と感じる「食わず嫌い気質」が身についてしまって、酢の物の例のように最初から手をつけなくなってしまいます。
そうなると行動などの範囲も狭くなってしまい、可能性も狭めてしまうことでしょう。
また質の悪い酢で作った酢の物を食べておいしくないと感じ「酢の物はおいしくない」と、しばらく酢の物には手をつけないでいたが、ある時信用できる人にすすめられ、最高級の黒酢で作った酢の物を口にしたら、そのおいしさに驚いて酢の物嫌いを克服できた、という事例も。
いわゆる「食わず嫌い気質」でなく、完全に「マイナスの体験」をしたケースでも克服できることがわかりました。
このように潜在意識をプラスイメージに変え、マイナスの要素を減らしていくことで、好き = やりたくなるという習性を利用し、行動に結びつけることは十分可能なのです。
次回は潜在意識の問題点にスポットを当ててゆきます。