潜在意識の大きな問題とは?
前回は潜在意識と顕在意識、ふたつの意識の差が問題、というお話をいたしました。
大きくわけてふたつの意識がある! 人間には大きくわけて2種類の意識が存在します。潜在意識と顕在意識ですね。 潜在意識は無意識とも言われ、ふだんはなかなか認識することができません。本能的な欲求などを含むものになります。いっぽう顕[…]
さて実はもうひとつ大きな問題があります。
前回のワンピースを買おうしてワイドパンツを買ってきてしまった例にあるように、潜在意識は大きく変わろうとするのを嫌う性質があります。
ワンピース姿とパンツ姿とでは、イメージがまったく変わってきます。
また髪型をロングからショートにしようとする時にも、大きくイメージが変わるので、なかなか踏み出せないというお話もききます。
なぜこのようなことが起こるのかというと、実は今現在が非常に安定している状態、という認識があるので、その安定した状態を維持しようとするせいなのだそうです。
新しいことを始める、というのはその安定した状態が変わるリスクがある、それが生命維持に影響したらどうするんだ!! と考え、行動を制限しようとするのだというのです。
どうやらこれははるか昔、原始時代の頃からの名残であるようで、確かに大昔は獲物を必ず獲得できるかどうか保証なんてありませんでした。
何日も獲物がとれず餓死しそうになっている、だからといって狩場を変えてみても必ず獲得できるかわからない、今の狩場なら実績もあるから、もう少しここでがんばってみよう、という形に落ち着いてきたのでしょう。
また仮に、こういったみんなが餓死するかもしれない、という時に、見たこともない木の実がなっていて、いかにも美味しそうだったとしても、それに毒があったら? などと考えると、生命にかかわる重大なリスクに直結する可能性があり、行動に起こすことがはばかられたのかもしれません。
それが今も連綿と続いているということには驚かされますが、新しいことをしてそれがプラスの経験になる実績もあるわけですから、ただ指をくわえて見ているだけでは実にもったいない話です。
一気に変化させなければいい!
変化を嫌う性質があるというのであれば、いきなり変化させるのではなくて、徐々に変化させていく、というのはどうでしょう。
たとえば禁煙したいと考える方の場合、いきなりタバコをやめるのではなく、少しずつ本数を減らしていく、少しずつニコチンの濃度を下げていく、といったやり方がありますよね。
このようにタバコはそんなに吸わなくてもたいして問題がない、タバコは吸わないのが当たり前、という方向にもっていければ、タバコがない生活を続けていけるはずです。
前回のタコ焼きの例のように、1回で劇的に潜在意識にアプローチができるケースはそうそうありませんので、このように時間をかけてゆっくりすすめていくのがベターです。
そしてこのタバコの例では「ニコチンの濃度を下げても意外にイケるな」という体感を繰り返し行うことで、「タバコは○○(銘柄名)でなきゃタバコじゃない」といったような価値観に変化が生まれてきます。
それを習慣化させることで、だんだんと潜在意識を書き換えて行く、というやり方です。
「タバコやめたくないけど何とかやってみよう」というような意識では、長い時間をかけて禁煙にチャレンジするのは苦痛に感じることでしょう。
しかし「意外にイケそうだ」というプラスの要素があることで習慣化しやすくなることは明らかです。
タバコをやめたい、と思うだけで何もしなければ変化はありません。
禁煙にチャレンジしてみよう、という行動をし、それを継続することで少しずつ現実が変わっていくのです。
やりたい目標になかなか到達できない、とお考えの方は、2つの意識がケンカしていないか考えてみましょう。
アプローチを変えることで、長い時間はかかっても問題の解決につながるかもしれませんよ。