鑑定中にふとお客さまから寄せられる「素朴なギモン」にフォーカスするシリーズ。
「急に言われても…」とあわてることなく、転ばぬ先の杖的に知っておいて欲しいお話をご紹介していきます。
Q. 自分では精一杯がんばって仕事をこなしているつもりなのですが、社内では「仕事ができない人」と認定されているようです。
転職も考えていますが、また転職先でも同じことを言われるのではないかと感じ、イマイチ踏み切れません。
がんばっているのに責められる…
本人は一生懸命やっているのですが、まわりからは遅いと言われる、何をやらせてもダメだと責められるなど、職場で大変な思いをしているお客さまが相談にこられることがあります。
占い師側はどういう立場で受け止めるとよいのでしょうか。
まずひとつ言えることは、完璧な人間などどこにもいないということです。
人間と神との違い、それは全知全能であるか否かと言われるくらいですので、少しぐらいのミスは許容範囲です。
メモが見つからない、あれ何を買いにきたんだっけ、などと立ち止まる主婦の方も決して珍しくありません。
いわゆる管理職の人であっても、プレゼンの時間を間違えてしまうことがあるほど。
ですので、間違えてしまう、うっかりやらかしてしまうことに対して過度にかまえる必要はまったくないといってよいでしょう。
もちろん丁寧に正確に仕事をこなすことは大切な要素です。
適度な緊張感の中で仕事をすることも大切ではありますが、あまりにも緊張しすぎてしまえば余裕がなくなってしまいます。
余裕がなくなればさらにミスが増えます。
検算をはじめとする見直しの時間が減ってしまうことも原因のひとつでしょう。
そのうち「あれ、おかしいな、何でこんなことができないんだろう」と焦り始め、それでもできないとイライラし出します。
これがまわりにもわかるレベルになってしまうと険悪な雰囲気が伝染してしまうわけです。
誰でも間違えることはある!
まず間違いは誰にでもある、ということをしっかりおさえましょう。
間違えても仕方がないのだ、と気持ちにゆとりを持つことです。
以前「一言一句間違えてはいけない仕事をしている。間違えると先方から突き返されて、書類を作った自分が責められる。でも専門職なので他の人にはできないから、手伝ってもらうこともできない。だから気が抜けないのです」というお客さまがいらっしゃいました。
上役の方からは「間違っても別にかまわないじゃないか。僕だって間違えることはある」と言われたそうですが、「あなたのミスとこっちのミスでは比較にならない」と言い返したそうです(本エピソードはお客さまからの了承を得てご紹介しています)。
こういう特殊なお仕事の場合もありますが、基本的に人間なので時には失敗することもあり、仕方ないのだということを常に考えながら仕事をするようにすれば、いくらか肩の荷がおりるのではないでしょうか。
何ごとも完璧にこなしてしまうと、人間というよりは機械のようです。
「あーあ、間違えちゃった、てへっ」というくらいの愛嬌があってこそ人間らしいといえるのです。
余裕のなさが伝染する!?
よく人間関係は鏡だと言われます。
相手は自分を反射させてうつしだす、というのですね。
そこから考えてみると、余裕のない仕事をしてしまうとまわりも余裕がなくなるということです。
すなわち自分が落ち着いて丁寧に仕事をしていけば、今度はまわりがそうなっていくと考えられます。
もしかすると仕事ができないと責められるというのは、自分が早く仕事をすませているのに相手はそうでない、と思うのが原因なのかもしれません。
特別仕事ができる人以外は、さほどスピーディーに仕事はこなせません。
むしろ今回のお客さまからすると全速力でやっているつもりなのかもしれないですよね。
別に困らせよう、嫌がらせしてやろうと思って、ゆったりのんびりやっているわけではないはずです。
にもかかわらず「仕事が遅い」「仕事ができない」という方向に考えられてしまうのはなぜでしょう。
仕事が遅い、と感じるのはその人に余裕がないからです。
スピード感あふれる仕事は確かにカッコよく見えるかもしれません。
ですが余裕がない状態が仕事以外にも飛び火してしまうと、生活全般に余裕がなくなってしまうでしょう。
そうなると人にやさしくすることも、相手に配慮することもだんだんできなくなってしまいます。
これこそ大変な問題。
本来なら「一生懸命やってもらってありがとう」くらいは言ってもいいはずです。
ですが余裕がないから責めることしかできないのですね。
おそらく大変器の小さい人だな、というイメージで見られてしまっていることでしょう。
一生懸命がんばっているならそれでよいではありませんか。
ミスなく丁寧にしっかり仕事をしていれば、必ずそれは誰かの目にとまります。
直属の上司に仕事が遅いと言われているなら、話し合う余地があるかもしれませんが、そうでないなら必要以上に相手に合わせる必要はないのです。
自分を責めてくるような人とは必要な時以外は距離をおき、自分らしく仕事をしていくように心がけていくとよいでしょう。