【お客さま素朴なギモン】頼まれるとイヤといえない自分を変えるためには

鑑定中にふとお客さまから寄せられる「素朴なギモン」にフォーカスするシリーズ。
「急に言われても…」とあわてることなく、転ばぬ先の杖的に知っておいて欲しいお話をご紹介していきます。

Q. どういうわけか頼まれごとをされることが多いです。
特別フレンドリーな感じでもないと思うんですが…
余裕があれば手を貸したいと思うのですが、忙しい時にもグイグイこられるのでこまっています。
どうしたらいいですか?

頼まれるとイヤと言えない…

いつも上司や先輩の顔色ばかりうかがってしまう頼まれるとイヤと言えない、こういうお悩みをかかえ会社に行くのもユウウツになってきた、というお客さまは比較的多いです。
どういった改善策が考えられるでしょうか。

中には職場だけではなく、ご近所づきあいや学校関係の役員、マンションの管理委員のようなものなど、さまざまな場所でこういったお悩みを持つ方がいます。
もちろんキッパリお断りになれる方もいますが、必ずしもみなさんそうではありません。
日本人の国民性なのか? NOといえない方は大変多い印象があります。

人づきあいそのものはイヤではないのだけれど、あまり気をつかいすぎるのは…
なぜかやることがいっぱいあるのに、さらに仕事を持ってこられて…

バリエーションはいろいろあれど、結局のところ相手に嫌われるのがイヤだとか、会社での立場がよくなくなるとか、そういうことを加味して断れないと考える方が多いようですね。
責任感が強くマジメなタイプの方ですと、特に断れないケースがよくみられます。
「仕事ができるんだから」「できる人のところに仕事は集まってくるものだ」などとおだてられ、毎回仕事をふってこられるというパターンもあるよう。
信頼されているからこそ自分が指名されている、という自覚があるのかもしれません。
しかし人間ですから当然限界もあります。
まわりからのイメージダウンを恐れるあまり、限界を超えてもがんばり続けるのは好ましくありませんよね。

自分の「範疇」があるはずなのに…

本来であれば、自分の仕事はここからここまで、それ以外は○○さんの仕事、というような線引きがなされているのが一般的です。
たまたま今日はひとり休んだので、ピンチヒッター的に手伝って! となることはあり得るでしょう。
ですが日常的にあれもこれもと特定の人がしょいこむ形になるというのは少し考えものです。

時には急がなくていいよ、と言われ引き受けたのに、数時間後に「あれどうなった?」などときかれると混乱してしまいますよね。
急がなくていいって言ったじゃないか、と頭の中ではイライラしながら対応することもあるでしょう。
その一方で、まわりは急かされているように見えない人ばかりだったりすると、どうして自分だけ、と考え込んでしまいます。
中にはこれはいじめなのだろうかと感じ、本当に会社に行くのがイヤになってふさぎこんでしまう方もいるでしょう。

生真面目な「国民性」も問題!?

どうやら日本人の生真面目な性格が根底にあるようです。
生真面目ゆえに、自分のペースに他人が合っていないとイライラしてしまい、自分のペースを押し付けようとすることがあるのだといいます。
特に人手がたりておらず、ひとりあたりの仕事量が平均して多いところでは、全体的に社員に余裕がないと言われています。
確かに取引先にゆとりのある顧客が多い、資金繰りが安定している会社はセカセカと仕事をするイメージがありません。

最近の傾向では、NOと言っているのに気づいたら担当者にさせられていた、ということもあるそうです。
上の人間がうまく手をまわしてそういう方向に持っていく、ということらしいのですが、入ったばかりの方や異動してまもない方であると、ご自身の業務を覚えるのにいっぱいいっぱいで余裕のない方もいるはずです。

しかし見方を変えれば、ご自身の仕事領域に上からの命令だと錦の御旗を掲げて踏み込んでくるようなもの。
自分の陣地に勝手に入り込んでくるようなイメージですね。
自分のテリトリーを侵されるわけですから、心理的にもナーバスにならざるを得ないでしょう。

別の角度で考えるのであれば、NOと言おうが言うまいが、相手に依存されているということになります。
特にNOと言えない方であれば、あいつは断らないからとナメられてしまい、よけい依存できるスキを作ってしまっているのです。

「NO」という勇気を持とう

NOと言っているのに依存してくるケースはさておき、問題はなかなかNOと言えない方のほうです。
先ほども述べましたが、相手に嫌われたくないから、会社で立場が悪くなるから、という理由で断れないというのは、相手主導になっているといえます。
つまり「○○さんが嫌うと自分は…」「○○さんが機嫌を損ねると自分の立場が…」というように、主語が自分以外になってしまっているのですね。
結局○○さんがいて自分がいる、というような図式になってしまうのです。

そして自分が要求を受ければまわりが助かる、誰にも迷惑がかからない、よけいな争いに発展しない、という考えにいたる方も今非常に増えています。
性格的に弱いというのか、まわりに敏感であるがゆえにうまくおさめて、よけいな波風を立てたくないという考え方なのか、要求を受けることで自分の存在感をアピールするでもなく、自分の本当の気持ちを飲み込んでしまうのです。
実際相手が本当に怖くて断れないという方もいます。
この場合は対人恐怖の要素も少なからずあり、怒られる = 自分が否定されるということで、抗うことすらやめてしまうのだそう。

このように自分が断らなければ丸くおさまる、と思い、自分の中に飲み込んでしまう人こそ注意が必要です。
断らない人がいることで、まわりの人からの依存が増えていくわけです。
なぜ自分だけが相手の要望にこたえなければいけないのか、ということを少し考えてみましょう。

自分が仕事を受けることで本当に相手が喜ぶのか?
相手にラクをさせているだけではないのか?

もしかするとこの相手はひとりだけではなく、いろんな人に仕事を押しつけている可能性もあります。
ですのでできないことはできない、とはっきり断ることも必要。
依存しているのだということを自覚させないと、いつまでたっても依存している側が気づかず成長できないからです。

実際の鑑定現場でのエピソード

最初のうちはああいいですよ、と頼まれたことを気軽に引き受けていたAさんというお客さまが、あまりにもいろいろなところからあれもやってくれ、これもやってくれと言われ、なぜ自分ばかりが頼まれるのだろうと悩み、占い師のもとに相談にこられたそうです。
Aさんはとても器用なタイプで、ひととおり頼まれたことはこなすのですが、結局自分の仕事のレベルアップにまで手がまわらず、転職した方がよいのか、とお話してくださったとのこと。

さらにお話をきいていくと、頼まれたからやったのにあれが気に入らない、これが気に入らないと難癖をつけられ、やり直すことが増えてきて、自分が何をしに会社にきているのか見失いそうだ、と。

確かにこれではご自身の立場がわからなくなってしまいますね。
占い師はできないことはできないと言った方がいいとカードが言っていますよ、とAさんにお話したそうです。
Aさんはこれまでそんなにキャパオーバーには感じなかったため断ったことはなかったのだそうで、とりあえずやってみますと答えたとのこと。

その後Aさんは断っても断っても仕事を押しつけようとする会社に嫌気がさし、結局転職したそうです。
転職先は自分の持ち場がきっちり決まっているところで、持ち場以外の仕事を頼まれることはなく、自分の仕事に全力投球できるようになったと、占い師にお礼のメールをくれたのだとか。
(本エピソードは掲載許可をいただいてご紹介しています)

愛を持って「NO」の意思表示

自分をいいように使い、依存してこようとする人に対しては愛をもってNOと言いたいところですね。
NOと言ったことで一時的に雰囲気は悪くなってしまう可能性は確かにあります。
ですが、お互いのためにもきちんと一線を引くことが本当のやさしさなのかもしれません。

どうしてもキミでないといけないんだ、という正当な理由でもない限り、自分でなくてもできるような内容であればお断りしてもかまわないのです。
断るという行為は確かに勇気がいることかもしれません。
ですが、よりよい人間関係のために必要なものだ、と心得てここぞという時に一歩前に踏み出してみましょう。

これから占い関連の求人に応募した際の実技試験でもテーマになりやすい話題。
頭のすみの方に入れておくと役に立つかもしれません。