【今さら聞けない】タロットの歴史~タロットの誕生~

タロットを扱う以上、その歴史は知っておいた方がよいかもしれません。
特に占いをさらに楽しみたい、奥深いものにしたいとお考えの場合、知っておいてソンはありません。

日本の室町時代頃に誕生!

最初にタロットが誕生したのは14世紀頃だと言われています。
日本が室町時代の頃です。
ただし、枚数が今とは違い52枚とか56枚とか、少し少ないものだったようです。

もとは占い用ではなかった!

タロットというと、基本的には大アルカナ22枚+小アルカナ56枚計78枚フルセット、または大アルカナのみ22枚というのが日本ではメジャーになっていますよね。
しかしもともとタロットは占い用ではありませんでした。

エジプト誕生説や、ジプシーが占いに使っていた説など諸説存在するのですが、カードらしきものがあった、とされているのがおおむねこのあたりの時代になります。
さてなぜ枚数が違うのか、という話ですが、当時はゲーム用のカードであったようです。
今のタロットとはかなり違うものだったわけですね。

最古のタロットはどんなもの?

一番古いタロットで現存しているものは、15世紀半ばにイタリアはミラノの名家で製作されたといわれている「ヴィスコンティ・スフォルツァ版」と言われています。
画家に描かせたものだったといいますから、現在美術品として一部博物館にあるというのもうなずけます。
しかし手描きゆえなのか、コンセプトがはっきりしていなかったのか、デッキにより微妙に異なる部分が存在しているのだそう。

実はこの画家に描かせたというのは「セット注文」という説があり、当時15種類あったタロットデッキをまとめて「ヴィスコンティ・スフォルツァ版」と呼んでいるのです。
画家の方も途中でどんな感じで描いていったのかわからなくなってしまったのでしょうか?
もちろんこちらもゲーム用であり、占いで使用されることはありませんでした。
宗教的な理由により占いが流行しない、というのもあったのでしょう。

タロットとイタリア…何となく接点が

さてイタリアときいてピンときた方もいらっしゃるかもしれませんね。
北イタリアはタロットの本場といわれており、かの有名な老舗メーカーである「Lo Scarabeo」も北イタリアの会社。
ちなみにイタリアには占いのお店が200軒近くあるというのですから人気のほどがうかがえます。
イタリアではタロットは「アート」として認識されているそうですから、日本に昔あったような「怪しい」という感覚はないようです。

さらに新しいタロットが登場!

そして15世紀後半頃、またまたイタリアで「ソラ・ブスカ・タロット」ができあがったと言われていますが、こちらもなかなか重要な存在です。
小アルカナもすべて絵札になっており、小アルカナが絵札になっている78枚のデッキは、タロットの中で一番古いとされているのです。

先ほども申し上げたように、当時のタロットは貴族や富裕層向けに画家が1枚1枚手描きをしていましたので、非常に高価でしたし、一般には普及していませんでした。
しかし16世紀になるとようやく木版画で量産されるようになります。
ようやく庶民も知るところとなり、ヨーロッパに広がってゆくのですね。

それでも占いに使った、という話にはいたらず、さらに200年ほど経過した18世紀になるまで、占いに使われたという記録が出てこないのだそうです。

ついに我々のよく知るタロットが!

そして17世紀のフランスにおいていわゆる「マルセイユ版」のタロットが誕生したとされています。
「マルセイユ版」と呼ばれていたのは、フランスはマルセイユが一大産地となっていたためです。

そしてこのあたりになってようやく現在のタロットと同じような絵柄が確立されはじめました。
また時代的にフランス革命のあたりで、社会的にも不安定だったというバックボーンもあり、ゲームよりも占いに使われるようになっていったとされているのです。
同時にタロットに神秘的な解釈を入れてみようという雰囲気になっていったとされます。