【タロットカードレビュー】タロット・オブ・エンチャンテッド・ドリームズ

現役占い師が実際に使用しているタロットカードにスポットを当て、どんなカードか紹介していくシリーズです。
今回はタロット・オブ・エンチャンテッド・ドリームズを取り上げます。

まさに「魔法にかけられた」世界観!

とにかくデザインが美しいと評判になったカード。
絵柄も美しいのですが、非常に幻想的かつ個性的な部分もあり、あまり人とかぶらないものをお探しの方にピッタリ
2019年発表のカードですので比較的新しい作品ですね。

作者はYASMEEN WESTWOOD氏
他にもオラクルカードやタロットカードを発表されている方です。

Enchantedとは「魔法にかけられた」という意味だそうで、確かに魔法の世界に入り込んでしまったかのような印象を感じます。
絵柄はコレット・バロン=リード氏のオラクルカードのような雰囲気ですので、同氏のカードをお持ちの方も気に入るのではないでしょうか。
またオラクルカードなどに慣れていて、直感的にカードから読み取る力がある方なら、あまりタロットに慣れていなくても使っていくことができそうです。

気になるサイズ感は?

カードの大きさは約9センチ×約14センチと、オラクルカードレベルの大きさになっています。
約7センチ×約12センチがタロットでは標準仕様のため、だいたいこの大きさのタロットが多いようですが、それよりも大きくなりますので手の小さい女性の方は扱いづらいと感じるようです。

裏面は満月の絵柄で、微妙に正逆の区別がつく仕様になっています。
逆位置を採用している方はご注意ください。

どんなカード?

カードは大アルカナ22枚+小アルカナ56枚の計78枚フルデッキ。
大アルカナには下部に通し番号とカード名(英)、小アルカナはカード名(英)のみが記載されています。

またマルセイユ版と違い、大アルカナ8番が「Strength (力)」、11番が「Justice (正義)」という並びになっています。
ちなみに小アルカナはスートごとに微妙に全体の配色が変えられているようで、たとえばワンドでは茶系の色味なのが、カップだと濃いめのブルーベースになっていたりします。
そのため小アルカナだけが出てきたとしても、比較的何系のカードかという判別は容易に感じます。

また一部カード名称が変わっていて、ウエイト版などでおなじみの法王は「The Guide」運命の輪が「The Wheel of Destiny」吊られた男は「Perspective」などとなっています。

小アルカナのコートカード(宮廷カード)においては、一般的なペイジ・ナイト・クイーン・キングの名称です。
しかしながらナイトのカードは鉄仮面? のようなものをかぶっているために、人によっては不気味に感じるかもしれません。
特に目が光って見えるので、このあたりは好き嫌いがわかれそうですね。

非常におもしろいのが、ほとんどのカードには女性が登場し、男性の印象が希薄である点です。
皇帝やキングなど男性がメインになりそうなカードは、玉座のみで人がいないという何とも斬新なデザイン。
恋人たちのカードは何と後ろ姿だけ、しかも女性よりだいぶ小さい姿に。
140ページ超の詳細なガイドブックはフルカラー仕様になっていますので、絵柄を見ながらじっくり読みすすめていくことができます。

とにかく大きさがネック!? 鑑賞用か

とにかく大きさがネックになってしまい、コレクションアイテムにしてしまう方が多い印象です。
付属の解説書が大きいために外箱も大きくせざるを得なくなっているので、スペースをとるというご意見もありました。
このあたりは好みがわかれるところでもあるので、ひとくちによしあしは言えませんが、絵柄の美しさ、アート表現に関しては特筆すべきものがあります。

また値段も比較的高めで、手に入るショップも少ないので見かけたことがないとおっしゃる方も。
それでもご興味をもたれた方はチェックしてみてください。

ちなみに作者のYasmeen Westwood氏のサイトから購入する時に、お願いすると解説書にサインを入れてくれるそうです。
「Would you like it signed? (optional)」の欄に、希望するサイン内容を英語で記載しましょう。
海外直送に抵抗がない方はぜひ依頼してみてくださいね。