現役占い師が実際に使用しているタロットカードにスポットを当て、どんなカードか紹介していくシリーズです。
今回はハーモニアス・タロットを取り上げます。
アール・ヌーヴォータッチの絵柄が大人気!
人気のアール・ヌーヴォータッチの絵柄で、女性を中心に支持されているカード。
全体的に色味をおさえているので、幅広い年代の方に好まれているようです。
派手派手しいのはどうも…という方にも好評。
メーカーはおなじみイタリアはLo Scarabeo社。
老舗メーカーの商品で安心感があります。
イギリスの芸術家・ウォルター・クレイン氏がイラストを担当していますが、これにアーネスト・フィッツパトリック氏がスピリチュアルな要素をプラスしたそうです。
見ていただければわかりますが、非常に細部まで描かれているので、何もそこまで…と感じる方もいるほどだとか。
絵本のような雰囲気も見てとれますが、クレイン氏がもともと絵本の挿絵を担当していたからではないかと言われています。
特に大アルカナを並べて見ると女帝のカードの細かさが際立っていますね。
気になるサイズ感は?
カードの大きさは約7センチ×約12センチのスタンダードサイズ。
こちらも最近ミニサイズ(約5センチ×8センチ)が出たようです。
スタンダードサイズがいわゆる標準仕様のため、だいたいこの大きさのタロットが多いようですが、手の小さい女性の方は少し扱いづらいと感じるようです。
裏面は正逆の区別がつかない仕様になっています。
どんなカード?
カードは大アルカナ22枚+小アルカナ56枚の計78枚フルデッキ。
多言語でカード名(上部4言語・下部2言語)が書かれていて、なおかつその中に額縁のようなもようの枠があるために絵が小さく感じます。
せっかく緻密な描きこみがされているので、可能であればもう少し大きめで楽しみたいものですね。
ミニサイズは白い枠でふちどりされ、下部のみに通し番号やカード名(英)が入っています。
小アルカナにおいては、ヌーメラルカード(数札)で数字とスート(ワンド・カップ・ソード・ペンタクル)名、6ヶ国語のカード名、コートカード(宮廷カード)でスート名と6ヶ国語のカード名が記載されています。
「ホワイトキャッツ・タロット」と同様に大アルカナ8番が「Justice (正義)」、11番が「Strength (力)」というマルセイユ仕様の並び。
小アルカナはウエイト版と同様の構成になっているようなのですが、パッと見ただけでは何のカードかわかりづらいという方が多いようです。
そのためどちらかというと、中級~上級者向けのカードかなというイメージ。
小アルカナが絵札になっているのは大変喜ばしいポイントではありますが、独自の解釈も含まれたタロットでもあり、手持ちの解説本とそのまま照らし合わせてサッと使っていける感じではなさそう。
美しいからと実占用ではなくコレクションアイテムとして購入される方もいるようですが、実占に使う場合にはある程度の「慣れ」が必要となるでしょう。
これから占いの求人に応募しようとされる方が実技試験にお使いになる場合、ある程度タロットに慣れている方に向いています。
オラクルカードのように絵柄から読み解いていくことができるのであれば、タロットを学びたての人でもいけそうです。
落ち着いた絵柄ですので、タロットを読み取る時も自然にやさしい印象、おだやかな感じになるような気がする、というご意見もありました。
マルセイユベースである大アルカナも、ドラゴンと戦う勇者? のようなカッコいい力のカードや、何かに踊らされている? ユニークな死神のカードなど、何かおもしろいカードがあるな、という印象を受けるものが多く、一般的な「タロット = 怖い」というものは感じにくいかもしれません。
黒ネコを虐待しているような? 悪魔のカードや、バリバリに明るい感じの太陽のカードはやや新解釈かなと思われます。
このあたりは好みがわかれるところなのかもしれないですね。
一般的なマルセイユ版・ウエイト版の絵がどうも好きになれない、とにかくきれいなタロットを使いたい、アール・ヌーヴォーの世界観が好き、という方向けのタロットともいえるでしょう。
カフェなどで鑑定する方は、ミニサイズが便利です。
また残念ながら海賊版も見つかっているようですので、購入は信頼のおけるお店でするように気をつけてください。