【タロットカードレビュー】Tarot of the Cloisters

現役占い師が実際に使用しているタロットカードにスポットを当て、どんなカードか紹介していくシリーズです。
今回はTarot of the Cloistersを取り上げます。

珍しい円形タロットの傑作!

Tarot of the Cloistersとは「回廊のタロット」の意。
中世の大聖堂のステンドグラスがモチーフだそう。
作者であるミシェル・レヴィット氏も、実際ステンドグラスの窓から直接インスピレーションを得たのだといいます。
形も珍しい円形タイプ。
1993年出版と比較的新しいタロットカードです。

メーカーはアメリカのUS GAMES SYSTEMS
老舗メーカーの商品で安心感があります。
円の枠は小さめに設定し、その分絵柄が大きくなっていて、本当にステンドグラスっぽく描こうとしたのだなというのがよくわかります。
中には全体にちりばめられた黒い線(ステンドグラスを敷き詰めた時のパーツのアウトラインを表現? )が少し気になるという方もいるようですが、ステンドグラスなのだと意識するとあまり気にならなくなるようです。

ステンドグラスらしく、比較的明るめのカラーが使われているので女性には人気です。
力のカードでは、女性がライオンに寄り添っているように見えます。
死(神)のカードも白馬が大きく描かれているので、下のカード名を見るまで死(神)なのか何なのかわからないほど。
節制は横向きの絵柄になっていて、天使が描かれているというのがよくわかる構図。
月のカードは月の部分がオシャレな鏡のようになっていて、そこだけ1枚パーツのようになっているため、例の黒い線がありません
それだけにより神秘的に見えるのが秀逸です。
太陽のカードもセンターに太陽、右下にヒマワリが描かれていて、見ているだけで元気になれそうです。
ペンタクルの3は少し独特で、手から手へ金貨を3枚渡すような絵柄。
ソードの3はハート型に剣が3本ささったおなじみの絵柄なのですが、少し柔らかい色調でステンドグラスになっているので、ややおだやかなイメージに見えます。

気になるサイズ感は?

カードの大きさは直径約12センチ
大きめのコースターほどの大きさになっています。
カード裏面は正逆の区別がつかない仕様で、お花? 風車? の柄になっています。

どんなカード?

カードは大アルカナ22枚+小アルカナ56枚の計78枚フルデッキ。
大アルカナには通し番号・カード名称(英)も記載されています。
小アルカナにもカード名称(英)が記載されていますが、カップが「Vessels」、ワンドが「Staves」という独自の言い回しになっているのがおもしろいですね。

またマルセイユ版と違い、大アルカナ8番が「Strength (力)」、11番が「Justice (正義)」という並びになっています。
全体を通してウエイト版に似たイラストになってはいますが、独自の雰囲気のものも含まれているので注意が必要です。

何といっても特筆すべきはシャッフルのしやすさです。
角がないだけでこんなにスムーズなのか、と驚かされます。
ただそれだけにまとめにくいと感じる方もいらっしゃるようですね。
円形になっていることで、正逆がとりづらいというご意見もありました。
この場合、水平ラインより絵柄の上部が上にあったら正位置にする、このカードを使う時は逆位置をとらない、などと最初から明確に決めておく必要がありそうです。

大切なのは相性なので、絵柄を見て「あ、これ!!」と感じるようなら合っていますし「ながめるだけでいいかも」と思うなら手に入れなくてもよいでしょう。

今出回っているほとんどが海賊版なので注意!

またこちらのカードですが、すでに絶版になっているらしく、ネットで入手できるほとんどがどうやら海賊版であるようです。

レビューなどを見ても、箱にQRコードがある、模造品である、というようなものが海外からも寄せられているため、購入時はISBNナンバー(国際標準図書番号と呼ばれ、登録出版者の責任において書籍の書名(タイトル)ごとに付与される番号)などを必ず確認するようにしましょう。
ただし正規品は中古でも100ドル超えと非常に高値になっております。