【タロットカードレビュー】セレマ・タロット

現役占い師が実際に使用しているタロットカードにスポットを当て、どんなカードか紹介していくシリーズです。
今回はセレマ・タロットを取り上げます。

「真なる意志」を呼び覚ます

美しいデジタルアートが人気のタロットカードです。
以前紹介した「TAROT DE LA NUIT」同様、こちらも美男美女が多い印象ですが、色彩がおさえられているカードが多く、神秘的なイメージを全面に出している感じがいたします。

ところで「セレマ」という聞き慣れない言葉は、あの「20世紀最大の魔術師」との異名を持つアレイスター・クロウリー氏の「法の書」を聖典とする哲学のことなのだそうです。
クロウリー氏は同著の中で「汝の意志することを行え、それが法のすべてとなろう」と述べていますね。
すべての人間には人生において欲望や欲求とは違う「真なる意志」とよべるものがあり、それにしたがって生きることにより、人間は神と化す、といわれているとか。
このカードを通して、自分の中にあるその「真なる意志」を呼び覚ましてみようではありませんか。

メーカーはおなじみイタリアはLo Scarabeo社
イラストは「アルカナムタロット」でおなじみのデジタルアーティスト、レナータ・レヒナー氏が担当しています。
英・仏・西など多言語の解説書が入っているためか、厚みのあるボックスに入っています。
ボックスに描かれているのは女帝のカードのようです。
金星マークのネックレスがおしゃれな感じですね。

気になるサイズ感は?

カードの大きさは約7センチ×約12センチのスタンダードサイズ。
標準仕様のため、だいたいこの大きさのタロットが多いようですが、手の小さい女性の方は少し扱いづらいと感じるようです。
裏面は正逆の区別がわからない仕様になっています(厳密には色味で見分けはつくものの、よくみないとわからないようです)。

どんなカード?

カードは大アルカナ22枚+小アルカナ56枚の計78枚フルデッキ。
大アルカナには通し番号とカード名称(英)、小アルカナはカード名称(英)のみ記載されています。
全体的なふちどり(枠)がなく、カードの下部のみにこれらの記載があるので、全体的に絵が大きく迫力がありますね(ただしミニサイズは枠があるタイプ)。
またマルセイユ版と違い、大アルカナ8番が「Strength (力)」、11番が「Justice (正義)」という並びになっています。
かなりウエイト版に寄せてはいますが、若干独自モードによっている感じもいたします。
TAROT DE LA NUIT」と比較すると、一般的なウエイト版ベースの解説書とともに使いやすい仕様ではないでしょうか。
これから占いを覚えたい、占いを仕事としてとらえたいという方でも比較的わかりやすいデザインです。
もちろん占い関連の求人に応募して実技試験の時に使う、という場合でも使いやすいでしょう。

愚者のカードは今回女性!?
何となく肌寒い、夜明け? 白夜? をイメージするような背景が印象的。
力のカードではまるでライオンと散歩でもしているかのようなやわらかいイメージに。
審判のカードは純白のドレスで浄化再生モードバリバリといった感じが伝わってきます。
一般的には男女のカップルが描かれることの多いカップの2のカードは金銀のイルカの姿。
もちろんカップはしっかり描かれているのですが、イルカの見事なシンクロ具合に脱帽してしまいそうです。

これだけ絵柄が美しいと、いわゆる怖いカードも少し中和されそうですね。
さりげなく象徴的なものも盛り込まれていますので、ウエイト版の解説書を別に買って使っている方も楽しめます。
ただ多言語ガイドブックに日本語が含まれていないため、なかなか翻訳が大変ですが、お時間のある時に少しずつ解説書をお読みになることをおすすめします。

ミニサイズもあり大人気

カードは光沢があり、比較的シャッフルもしやすいのですが、その絵柄の美しさゆえにコレクションアイテムとして購入される方が多い印象です。
またサイドに傷がつきやすい、使っているうちに絵柄にダメージがいきそうというようなご意見も。
気になる方は複数デッキをお持ちになられるとよいかもしれません。
CGのカードがお嫌いでなければ、ひとつお持ちになってみてはいかがでしょうか。
カフェなどで鑑定する方におすすめのミニサイズも発売されています。

スタンダードサイズはコチラ
ミニサイズはコチラ