現役占い師が実際に使用しているタロットカードにスポットを当て、どんなカードか紹介していくシリーズです。
今回はThe Uncommon Tarotを取り上げます。
コラージュ系の美しいタロット!
ブラック~グレー~ブルーベースに蝶が描かれた外箱が目を引きます。
外箱を開くと内側には「Uncommon」の意味が2種類記載されています。
磁石開閉のしっかりしたボックスに入っているタイプ。
ガイドブックやカードにも蝶が描かれていますので、これがまたひとつのテーマなのかもしれませんね。
Uncommon = 直訳するとフツーじゃない、珍しい、ということになりますが、確かにカードを見るといろいろなものが混ぜ合わされ、伝統的なタロットを踏襲しながらもどこか新しいニュアンスを持つ作品になっていて、ありきたりのタロットに飽きてしまった方には特におすすめです。
作者はShaheen Miro氏。
これまでにもさまざまなオラクルカードなどを発表されている方です。
Theresa Reed氏も寄稿しており、おふたかたの共著でもある「Tarot for Troubled Times」も話題になっていますよ。
気になるサイズ感は?
カードの大きさは約7センチ×約12センチのスタンダードサイズ。
標準仕様のため、だいたいこの大きさのタロットが多いようですが、手の小さい女性の方は少し扱いづらいと感じるようです。
裏面は正逆の区別がつかない仕様になっています。
どんなカード?
カードは大アルカナ22枚+小アルカナ56枚の計78枚フルデッキ。
大アルカナには下部にカード名称(英)と通し番号(こちらもUncommon!? 通し番号が後にくる仕様)。
小アルカナはヌーメラルカード(数札)では下部にカード名称(英)と数字、コートカード(宮廷カード)ではカード名称(英)のみ記載されています。
ただカード名称が筆記体で書かれているために、英語に不慣れな方は読みづらいというご意見もあります。
またマルセイユ版と違い、大アルカナ8番が「Strength (力)」、11番が「Justice (正義)」という並びになっています。
ウエイト版によせた順番になってはいますが、東洋・西洋両方の叡智を集めてつなぎあわせたようなニュアンスを持っているので、伝統的なものや神話的なものと現代的な解釈がミックスされ「おっ」と目を引く作品になっています。
「タロットの書 叡智の78の段階」でもおなじみのレイチェル・ポラック氏も「いろんな文化・伝統から鮮やかでエレガントな画像を持ってきて、このタロットはこれまでの伝統的なタロット・シーンを新しくってゾクゾクするようなやり方でよみがえらせてくれる」と大絶賛。
しかも最近よく見られるような「多様性」にフォーカスし、恋人たちのカードが男性同士になっているなど、日本ではあまり見られない絵柄があります。
ちなみに花魁? (ワンドのクイーン)や戦国時代の武者? (ソードのキング)、あるいは時代劇によく出てくるお忍びでどこかにお出かけするお武家の女性? (隠者)のような、日本由来とおぼしきカードも含まれていますので、なぜこの絵柄を持ってきたのか想像しながら使ってみるのもおもしろそうですね。
なお海外のカードにはよくありますが、裸体もかなりリアルに出てくるカードがあるため、人によって好みがわかれることもありそう。
中級者以上向けの手応えあるカード
大変美しいので、実占用ではなくコレクションアイテムにされている方も多いようです。
カードの絵柄の好みがわかれる部分もあり、外で鑑定するには使いづらいというお声もありますので、だんだん使わなくなりそうなってしまうのかもしれませんね。
先ほども申し上げたように、ウエイト版のタロットがベースにはあるのですが、世界観が独特なところもあるがゆえに、ある程度基本的な知識がある方が使われる方が望ましいといえます。
そういった部分では中級者以上の方向けかもしれません。
初心者の方で迷われている方は、少し勉強されてからのご購入をおすすめします。
少しごちゃごちゃしているように見えるカードもあるので、これから占い師になるためにタロットをやっていく、という方にも少し不向き。
ある程度タロットに慣れていて、普通のタロットではおもしろくないとお考えの方、オラクルカードのように使いたい方にぴったり。
占いの求人に応募した際の実技試験に使うのも少し難しいなと感じます。
人によっては使っているうちに絵柄から読み取れるようになった、という方もいらっしゃるようで、このあたりは個人差が大きいところでしょう。
またゴージャスなシルバーエッジになっているところもポイントですので、プレゼントされる方もおられるようです。
ピンときた方はぜひチェックしてみてください。
コチラで購入できます。