【タロットカードレビュー】ワイルド・アンノウン・タロット

現役占い師が実際に使用しているタロットカードにスポットを当て、どんなカードか紹介していくシリーズです。
今回はワイルド・アンノウン・タロットを取り上げます。

マルセイユ的動物系タロット?

黒ベースの箱の中心にカラフルなふちどりの輪? が特徴的な外箱。
中身もちょっと現代的なテイストで、たくさんの動物たちがお出迎え。
アニマル・スピリット系のオラクルカードや、動物モチーフのタロットなどがお好きな方は気に入るのではないでしょうか。

外箱が黒であるせいなのか、どのカードも黒が強いイメージで、カラーリングがされているカードもあるにはあるのですが、それでも黒が強く印象に残ります
自然界と動物界の謎を探求する作品、というのがコンセプトのようで、カードのイラストはゴテゴテした感じではなく、どちらかというとシンプルな路線。
それだけにカードの使い手が、こういうことではないのか? こういうニュアンスが込められているのではないか? など、深掘りしながら楽しめるようになっています。

作者はポートランド在住のアーティストで作家でもあるKim Krans氏
これまでも「ワイルドアンノウンシリーズ」を手がけていて、ひとつひとつ手描きなのだそう。
昨今CGやコラージュ作品のタロットがどんどん出てきている中で、あえてのアナログ!? なところが、人のあたたかみを感じると評判になっています。
手描きゆえに、いわゆる怖いカードも緩和されていて、タロットを使い始めの方にも人気になっていますね。

動物だけではなく地・水・火・風・空といったエレメントや、月・太陽といった天体なども描かれているので、自分の身近に感じられるものが多くわかりやすいのかもしれません。
今カードでは人間が登場しないのが特徴のひとつであり、動物や植物がメインになっているので、ながめているだけで癒されるという方も多いようです。

カラーリングは必要最小限? な雰囲気で、ある意味ちょっとした味つけ程度のものなのでしょうか。

気になるサイズ感は?

カードの大きさは約7センチ×約12センチのスタンダードサイズ。
標準仕様のため、だいたいこの大きさのタロットが多いようですが、手の小さい女性の方は少し扱いづらいと感じるようです。

ただ幸いなことに、缶入りの便利なポケットサイズが発売となったことで、これまで使いづらいと感じていた方には朗報ですね。
カード裏面はいずれも網目もようのような正逆の区別がつかない仕様

どんなカード?

カードは大アルカナ22枚+小アルカナ56枚の計78枚フルデッキ。
大アルカナは上部に通し番号、下部にカード名称(英)、小アルカナのヌーメラルカード(数札)は上部に数字でカード名称なし。
エースとコートカード(宮廷カード)は下部にカード名称(英)のみ記載。

またマルセイユ版と同様、大アルカナ8番が「Justice (正義)」、11番が「Strength (力)」という並びになっています。
マルセイユ版に準拠はしているようですが、現代向けのアレンジがほどこされているので、どちらかというと中級者以上の方が使う方がやや好ましい、というご意見も。
全体的に白い枠がありますが、やや細身の枠ですので絵は比較的大きく見えるようです。

小アルカナのスートはワンド(火) = ヘビ、カップ(水) = 白鳥、ソード(風) = フクロウ、ペンタクル(地) = 鹿になっています。
コートカード(宮廷カード)の役職名もペイジ = 娘、ナイト = 息子、クイーン = 母、キング = 父となっていて、家族をイメージさせるネーミング
家族になっているということで、自分の身の回りの人にあてはめて考えるとイメージしやすいでしょう。
すなわちスートひとつひとつが、スートの特徴を持つ家族である、と考えることができるのです。
それぞれの家族にスート的な特徴を当てはめていくと、たとえばペンタクルの家族は堅実で地に足がついているようだとか、カップの家族は心が広くて愛情深く、ちょっと夢見がち、というような雰囲気になり、よりイメージがつかみやすくなっているわけです。
喜ばしいことに、日本語解説版が発売されたということで、これまで翻訳に苦労されていた方や、翻訳が苦手で見送っていた方にはうれしいですね。
また解説は日本語版、カードをポケット版という形で併用している方もいるそうです。
スペースの関係で小さいサイズの方が使いやすいけれど、翻訳の手間をはぶきたいという方にはベストチョイスといえそう。

好みで選べるが海賊版に注意!

ただ人気ゆえに海賊版も確認されていますので、信頼のおけるサイト、出版社より直接お求めになられることをおすすめいたします。

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