【お客さま素朴なギモン】都合のいい人から脱却するには

鑑定中にふとお客さまから寄せられる「素朴なギモン」にフォーカスするシリーズ。
「急に言われても…」とあわてることなく、転ばぬ先の杖的に知っておいて欲しいお話をご紹介していきます。

Q. 職場でも友達との関係でも、頼まれるとイヤといえないところがあります。
断ると居場所がなくなりそうで不安が大きいため、つい言うことをきいてしまいます。
どうしたら変わることができるでしょうか?

「よく言うことをきく人」の落とし穴

何でもハイハイと言うことをきくイエスマンになってしまう頼まれるとイヤと言えない…といったお悩みは、占い師のもとによく寄せられています。
占いの仕事を始めると、早いタイミングでこういった相談にぶつかることでしょう。

特に日本人はマジメなところがありますので、こういうキャラが美徳とされている部分もあるようですが、あまりにも度が過ぎてしまうのもよくありません。
特に昭和の時代によく見られていた「マジメでよく言うことをきくお利口さん」というキャラは、当時目標にすべき最前線のように扱われていました。
何かにつけて「○○ちゃんみたいにどうしてなれないの」などと、親御さんから言われた経験がある方も少なくないようです。

目上の言うことは絶対にきかなきゃいけない
頼まれたらふたつ返事で引き受ける
素直なのが一番

というようなものも付随していることがしばしばあります。

しかし度が過ぎるとまるで風見鶏のようです。
あっちを向いたりこっちを向いたり。
まるで他人さまに雇われた執事やメイドさんのようにも思えてきます。
そのうち影で「あいつは何でも言うこときくからラクだよなあ」などと言われているのに、それすらも気づかず盲目的に言うことをきき続けるようになってしまうことも。
逆らわない、ということは自分に意思があるわけではないのと同じですから、都合よくチェスの駒のように扱われてしまうのです。

占い師側が気をつけなければいけない点は

そして上記のようなお悩みを持つみなさんがどうして悩んでしまうのか。
それは「このままでいいのか」と立ち止まるところにあります。
つまり心のどこかで「何か違う」ということに気づいているということ。
その「気づき」こそが大切。
人にコントロールされる人生、何かおかしくないか? と感じるのはごく自然なこと。
しかしたいていの場合その「おかしいと感じている自分がおかしい」というようなことをまわりから言われ、その本音を引っ込めてしまいがち
結局今までと何も変わらぬまま何年も時がたってしまった、という方が少なくないのです。
占い師側はこういった背景をまずよく知った上で、お客さまの話に耳を傾けたいものです。

どうすれば脱却できるのか?

ではこの「負の連鎖」を断ち切るためには何が必要なのでしょうか?
それは「NOと言う勇気」です。

できないことはできないとはっきり線引きをする
今すぐには無理だけど○時間後なら少し手があく、と交渉する

恋愛でも同じ傾向がいえ、予定が入っていても相手から誘われたら優先してしまうのではなく「○日は予定が入っちゃっているから来週でもいい?」と交渉できますか?
相手が遅刻しても浮気しても許してしまうところがありませんか?
自分に非がなくても頭を下げていませんか?
今一度お客さまに問い、考えてもらってください。

いずれにしても「NOと言えない」ことは「自分を大切にしていない」ということが言えるでしょう。
自分は本当はこうしたい、と考えているのにまわりに流されてしまっている、これでは他人の人生を生きているようなもの。
思い通りになる相手はラクに感じ、長く一緒にいることもあるかもしれませんが、ラクなだけであって魅力があるわけではありません
ただ惰性で一緒にいるような感じになってしまいます。
そうなるとなおのこと大切にされることはありません。

相手に嫌われると思って本音を言わないというのは少し違います。
もちろんあからさまに相手を傷つけるような言葉、コンプレックスに直結するような内容をぶつければ嫌われる可能性はあるかもしれません。
しかし自分がやりたいことを主張したり、都合のよしあしで断ったり、こういうことをしてほしいという要望を出すことは嫌われることではないと心得、お客さまにお話ししましょう。
仮にそういう話をしてナマイキだとか、いけすかないとか言われるようなことがあれば、その人は気に入って重用していたわけではないということがわかるはずです。
そういう方からはすぐにでも離れましょう、尽くす価値すらありませんよ、ということをお客さまにも理解していただくようにしてください。

一発逆転のカギとは

仕事においても恋愛においても「手放したら都合が悪い」存在を目指していきましょう。

あまりにも無理難題を言ったらいなくなってしまうかもしれない
他の会社に移籍されたら困る

と相手が思うような存在です。
都合のいい人 = カンタンにコントロールできる、つまりナメられているわけですね。
ですのでできないことはできない、としっかり意思表示しないといつまでもナメられたままになってしまいます。

そして都合のいい人、というのは、たいてい依存傾向があります。
自立している人はそもそも自分を大切にしてくれない存在と関わり合いになりたくないし、必要に応じてさっさと距離をおいてしまいます。

自分の言い分をきいてくれない、言いたいことを押しつけてくるような相手に依存する必要があるでしょうか?
どうせかかわるなら、自分のことも相手のことも同じくらい尊重して考えてくれる人の方がよいと思いませんか?
どんなに社会的地位が高くても、お金のある方でも、相手を都合よく利用するような人とはつきあってもプラスにはならないでしょう
この点も占い師側、お客さまの双方が知っておいて損がない部分です。

誰もがみな、尊重されるべき存在、重要で替えのきかない存在であるはずです。
ですから都合よく扱ってくる、というのはかなり失礼と言わざるを得ません。
自分は失礼なことをされてきている、ということをお客さまにもしっかりおさえてもらいましょう。

業界の方の話では、自分を大切にしていないと「この人は大切に扱わないといけない人」とまわりから思ってもらえなくなるそうです。
すなわちまず自分を大切にしないといけません。

その努力をしてもなお、まわりが都合よく扱うことをやめないのなら、勇気をもってその方たちとはお別れすることです。
おつきあいしていたとしても幸せにはなれないからです。
自分の幸せのために時間と労力を費やすべきなのだ、ということを心に刻み、お客さまを笑顔にして差し上げてください。