Q. 現在電話占いで鑑定をしていますが、毎週のように同じお客さまから同じ相談を受けます。
アドバイス的なものも含めているのですが、現状が変わらないといって追いかけ回されています。
どうしたらいいのでしょうか?
「常連客」とは違う!?
占いの仕事をしていると、少なからず占いジプシーと呼ばれる人たちから申し込みを受ける可能性が出てきます。
これから占いの求人に応募しようと考えている方の中にも、こういう人たちがいるときいて占い師になることを躊躇してしまうケースもあるとか。
いったいどのような人たちなのでしょうか。
常連のお客さまでも月に1回とか、数ヶ月に1回とか、決まったスパンで鑑定にこられる方がいるでしょうが、占いジプシーと呼ばれる人たちはそれよりもさらに短い期間内に申し込みをしてくる傾向があります。
またセカンドオピニオン、サードオピニオン的に他の占い師のもとを訪れる方も少なくなく「○○先生にはこう言われたのですが…」とエピソードをお話になる方もいます。
要するにご自身の悩みにとらわれすぎてしまい、占いでどうにかならないか、という意識が強くなってしまっているのですね。
言い方を変えれば依存症に近いといえるでしょう。
ご自身でも占いがお好きで、いろいろな占いを楽しみたいとか、この占術知らないなあ、どんなだろうと好奇心いっぱいにいろいろな占いサイトを行き来するタイプの方とは大きく違うことがおわかりいただけると思います。
なぜ繰り返し同じ相談をしてくるのか
そもそもなぜこのようにひとつの相談を複数の占い師に向けてしてくるのでしょうか。
それはご自身の中に明確な「思う結果」が存在し、完全にそれと一致した回答を得られるまでは安心できないからです。
「復縁がうまくいきますと言った先生が5人、うまくいかないといった先生が5人いて、どっちが本当なのかわからなくなってきました」とおっしゃる方もいるほど。
この例では復縁が叶う、と言ってほしいのに復縁できないとこたえた人もいることで「?」となってしまっているわけです。
こうなると復縁が叶う、というのは本当なんだろうか、という疑いの気持ちが出てきてしまい、次々と他の占い師のところにアクセスしてしまうのです。
これではいつも不安につきまとわれ、何に対しても安心できることがなくなってしまうので、気持ちにも余裕がもてなくなりますし、いつも神経をすり減らすような形になってしまうことでしょう。
そのうち日常生活を送るのにも支障が出るようになります。
非常に大変な状況であるのです。
しかしながら当のご本人はあまり大変な状況とはお考えになっておらず「復縁できるならどんなことでもがんばります!!」というようなマインドで相談にこられるのです。
ここまでくると依存体質であると言わざるを得ないレベルです。
そして「依存体質」であることからも何となく感じるでしょうが、ご自身で何か行動を起こしたりするのではなく、占いで言われたことがそのまま現実になり、自分がそこに乗っかっていくようなイメージのままでいるのです。
占いで決められた人生を歩んでいくような雰囲気ですね。
先ほどのお客さまの場合なら「復縁後、無事お互いの気持ちを確かめ合い、最終的に結ばれ幸せになる」というような占い結果があり、そこを自分がすすんでいく(すすんでいきたい)というような感じでしょうか。
ですからその「バラ色の人生(監督総指揮: 占い師)」の脚本に対し、現実社会で危うい部分が出てくると、そこがクリアになるまで占い続けることになるわけです。
最悪借金をしても占いにお金をつぎ込むようになり、普通の会社員ではお金が返せないからと、水商売や風俗に身を落とす人もいるほど。
昭和の時代には「洗脳型」も存在
昭和の頃には、いわゆるマインドコントロールや洗脳をする占い師が問題になったことがあります。
相談者に対し「こうしないと不幸になる」とあおったり「不幸をとめるためにはこの壺を買いなさい」とすすめたりして、リピーターにするという手法があったのです。
いわゆる「霊感商法」などと呼ばれているものですね。
しかし現在、占いは自分が幸せになるための道標として使うもの、という方向に考え方が変わってきました。
占いに頼るのではなく、占いをベースに現状をどう変えていくのか、ということを考える必要があるのです。
ただ占いをしてその結果を受け取るだけでは何も変わらないのだ、ということを、お客さまにわかってもらわなければなりません。
占いジプシーさんがきたらどうするのか
占いジプシーさんぽいな、と感じたらまずはお話をしっかりおききしましょう。
特に何が一番心配なのか、どういう方向を望んでいるのか、その望みを叶えるのに障害になっているものが他にあるのかなど、引っかかりやすい部分について、時間をかけヒアリングしていきます。
中には早く占ってくださいとせかしてくる方もいらっしゃいますが、大事なのはお悩みを解消するために自分が成長すること、特に精神面を成長させることだと理解してもらうようにしましょう。
占いがそのままご自身に影響を与えるのではなく、占いをふまえてご自身がどうすればよいのか、という発送の転換が必要になるのです。
そのためには自分で決めることの大切さを体感してもらうのがよいですね。
ほとんどの方は自信がないから自分では決められない、自分が決めると他の人からバカにされるかも、などの理由であえて決めずにまわりに同調してきた、というパターンです。
したがって自分で決めてもちゃんとできる、といった成功体験をしていただくのが一番の早道なのです。
自分で決めて何かをした結果、こんないいことがありました、というのをSNSやブログで発表するのもいいかもしれませんね。
自分で決めて何かをした結果、未来がいい方向になっていった、という経験が積み重なっていけば、占いの通りにやる必要はないということがわかってくるはずです。
一流の経営者も占いを活用するが…
ちなみに一流の経営者の方は、自分がやっていること、方向性に対する答え合わせとして占いを利用するのだといいます。
特に大きな判断をせまられた場合、占いを参考にするという方が多い印象です。
意外かもしれませんが、何と女性経営者より男性経営者の方がこういったケースで占いを参考にしているのだそう。
自分のとろうとしている方向性、そもそものマインドなどについて確認したり、その現状を受けアドバイスをもらう、という使い方です。
つまり根底には「ご自身の向かっていくところや理念」がすでにあるわけですね。
占いジプシーさんたちは、ご自身の向かいたい方向性はあるものの、それがいろんな人の意見によりゆらいだり、不安になって方向性をあちこちに転換したりと落ち着きがありません。
つまり自分に軸がない状態になってしまっているのです。
だからこそ自分以外に答えを求めてしまうのでしょう。
取り巻く状況は日々変化してくものであり、短いスパンであれこれ占いに費やすよりも、状況が変わったタイミングで相談するくらいでちょうどいいのです。
また最終的に行動を起こすのはお客さまである、ということを常に念頭においていってください。