やりたいことが見つからない人とやりたいことが多すぎて困る人

Q. やりたいことが見つからない、というお客さまがたまにいらっしゃるのですが、どういうふうに掘り下げていったらよいのでしょうか?

まわりが気をもんでしまう…

とりわけ入試や就職のシーズンが近くなると、親御さんから「うちのコったらこれからやりたいことが見つからないって言うんです…本当に困ります。どうしたらよいのでしょうか? 」というようなご相談が寄せられることがあります。
本来入試や就職試験を受けるのは親御さんではなくお子さんの方ですから、親御さんだけ気をもんでも仕方のないことなのですが、お気持ちはよくわかりますよね。

一方でやりたいことが多すぎて決められない! というお悩みもきかれます。
あれもこれもそれもおもしろそう、全部やりたい!
ある意味こちらはワクワク、ウキウキ、非常に楽しそうです。

「やりたいことが見つからない」への対策

さてやりたいことが見つからない、という場合、どうすればよいのでしょう?
どんなささいなことでもいいので、お金がどうとかいうことを抜きに「ちょっとやってみたいな」と感じることはないかをまずは抜き出してみます。
それがはっきりしていない場合、ズバリ「やりたくないこと」を全部あげてもらいましょう。
どんな小さなことでもかまいません。
やりたくないことをとにかく出してもらうのです。
やりたくないことを取り除いていけば、残ったところに本音がひそんでいる、というのですね。

たとえば結婚したくない、という人がいたとします。
にもかかわらず「彼女(彼氏)はほしい」と言っている人はいないでしょうか?
となると恋愛と結婚の差は何か? というところにヒントがありそうですよね。
パートナーはほしいのに結婚はしたくない。
ではなぜ結婚という形ではダメなのか? と掘り下げていきます。

そうすると、たとえば親御さんや周りの友達が離婚していて、結婚すると不幸になる、という刷り込みができているというような「問題点」が浮かび上がってくるそうです。
やりたいことが見つからないというのもこれと同じことで、やりたくないことをあげていくうちに「なぜやりたくないのか? 」「実際にやってみたのか (= やった上でやりたくないと判断しているのか)? 」「今やってみたらどうなのか? 」というところから掘り下げていくことができます。

先ほどの例のように「パートナーはほしいけど結婚はしたくない」というような、一種の綱引き状態のような部分が出てくることもあるでしょう。
では実際綱引きをしてみたらどうですか? ということも考えてみてください。

やりたくないと思っていること = 楽しいと思えないこと、やっても意味がないと思っていること。
しかし実際にチャレンジしてみたら案外おもしろかった、というケースもあるのです。
ですがまずは整理するために、やりたくないことを徹底的にとりのぞくことから始めましょう。
その上で先の「綱引き状態」などをどう考えるかひもといていきます。

「やりたいことが多すぎて決められない」への対策

一方やりたいことが多すぎて決められない、という場合には、とり急ぎ全部やってみることです。
やっていくうちに「あれ、こんなはずじゃなかった」「思ったほど楽しくないな」など、自分で経験しながら自然にふるいにかけられた状態になっていくそうです。
結局のところ、心から楽しめるもの、ワクワクするものだけが残っていく形になっていくわけですね。

意外に「これあまり楽しくないな」と思っていても、やっていくうちに楽しくなるケースもありますので、とにかくやってみること。
また途中でふるいにかけられたものであっても、違うアプローチからまた復活することもあり得ます。

やっていくうちに自分が本気で楽しめるもの、ウキウキするものを選ぶのが正解です。
いずれにせよ本当にやりたいことは、いろいろなまわりの要素を引き剥がした中に存在するということ。
焦らず、騒がず、ゆっくりと本音の部分に近づいていきましょう。