占い師は中庸であれ

占いは中立の立場で!

毎日さまざまな相談が寄せられる占い師の立場で、中庸(ちゅうよう)であることが望ましいと業界では言われています。
中庸とは偏らず、中立的であるということ。
これがいい、とか悪い、とか決めるのではなく、いろいろな考えをそのまま受け入れて、中立的な立場で鑑定をするのがよい、とも考えられるでしょう。

当然物事に対し善悪という考え方はあります。
日々生きている中でもこれがいい、よくない、と、無意識のうちに判断されているかもしれません。
しかしそのいい悪いと判断するのは、これまで生きてきた中の過去の経験や、まわりの環境が由来ではないでしょうか
つまり違う国や地域で育ってきた人とは、まったく同じ価値観にはならない可能性があります。
ものごとをすすめる順番ですら、地域によって違っていることもあるほどです。
結果としては同じになるにしても、人によってはなぜ手順が違うのか、おかしいんじゃないか、と違和感をおぼえることもあるといいます。

いい悪いだけで判断しない!

これがいい、これがよくない、という考え方が極端なものになると「○○するのが常識」「○○しなくちゃいけない」という極論へと向かっていってしまいます。
しかしその「常識」と呼ばれるものも、これまでの時代背景や過去の経験、周囲の意見などが反映されてできあがってきたものですから、時代が変わると内容も変化します。
いつの時代でも、どんな年代でも変わらない「モノサシ」のようなものは存在しないのです。

時代背景が変わる、ということは、昭和の占い師と平成の占い師とでは、常識と考える内容に違いがあるだろう、ということは容易に想像できます。
そしてその価値観をベースにして、お客さまに対し占いをする、ということは、占い師の価値観を大きく反映してしまうことになりかねません

業界的に「中庸」が望ましいという方向へ

占い師が中庸であることが望ましい、というのは、業界の方がおっしゃっていることです。
そしてそのココロは、占い師が主観に偏りすぎたり、お客さまの意見に必要以上に忖度することもない、中立的な立場で鑑定をする、ということでもあるでしょう。

あるタロット占い師の方のお話では、まず出たカードはこういうカードなんですよ、と1枚1枚説明されるそうです。
それはもちろん、いわゆるキーワードの説明ではなく、

なぜこのカードにこのモチーフが描かれているのか?
なぜこんな色で表現されているのか?

というようなかなり「深い話」とのこと。
一見すると相談内容とは関係がないように見えるかもしれませんが、現状見えていない部分もタロットは出してくるので、きちんとご説明しています、とおっしゃっていました。

要するにこの方がされているのは、いうなればタロットの翻訳のような作業であり、あくまで「翻訳をしているだけ」ですから、そこに主観などは入ってこない、というわけです。
キーワードを丸暗記して占いをしているようなタイプだと、どうしてもキーワードに占い結果を寄せてしまう傾向があるのだそうです。
そうすると結局当てよう当てようというところに焦点が定まってしまい、占いの結果がブレてしまうというご意見もありました。

お客さまに忖度しすぎるのはNG!

確かにそう考えていくと、必ずしもお客さまの望むような結果が出てくるとは限らないのに、その望む結果にカードの意味を寄せてしまうのはおかしな話ですね。

占いはその方が今後どうすべきかという指針とする流れになっているのですから、今気づいていないかもしれないけど、これが大事なんだよ! 早く気づいて! というモチーフがカードに反映されていることもあるわけです。
それをきちんとひもといて翻訳し、わかりやすい表現でお客さまに伝えるためには、当然それなりの知識もなければなりませんが、

当たらなかったらお客さまがかわいそう!
当たらなかったら何を言われるかわからない!

というのは、あくまで占い師側の主観的な一面。
ですからそういうものを捨て、出てきたカードなどの内容についてのみきちんとお伝えすることは非常に大事なことです。

その時お客さまはがっかりされるかもしれませんし、意味がわからないと憤慨されるかもしれません。
もしかすると今はその相談内容にフォーカスする時期ではない、というニュアンスで出ているのかもしれないし、違うところに注目するんだよ、というお知らせかもしれないのです。
とにかく占い師がはじき出したものをしっかりと見なさい、それだけで判断しなさい、深読みはいらないよ、ということです。

これまでの知識などはいったん横に置いて!

特に女性の場合、これまでの知識や経験などからこういうことかもしれない、と類推しがちです。
ですがこれも結局先ほどのように、その人のこれまでからはじき出された結果でしかなく、かなり主観的な部分を含んでいると言わざるを得ません。

うまく鑑定ができていないなあ、と考える方は、こういう部分を少し見直してみてはいかがですか。
占い師は中庸、をキーワードに日々取り組んでみてください。