出雲大社はなぜイレギュラーに四拍手なのか

二礼二拍手一礼ではない!

通常神社にお参りする時「二礼二拍手一礼」が基本である、と言われています。
神社の参拝方法については過去記事にもまとめております。

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しかしながら出雲大社ではこれとは違う「二礼四拍手一礼」となっているのです。
なぜこのような違いがあるのでしょうか?

ご存知のように「二礼二拍手一礼」とは、深いおじぎ(90度)を2回・拍手を2回・手をおろして深いおじぎ(90度)を1回、というのがスタンダードです。
90度の深いおじぎは神さまへの敬意を示し、感謝する気持ちを表すとされています。
2回の拍手は邪気を祓う意味合いもありますので、「しっかり手を打ち音を出す」ことが重要とされているそうです。

一方出雲大社での正式な参拝は「二礼四拍手一礼」となっているのですが、四拍手をする理由については諸説あり「四季を表している」「四方(= 東西南北)の守護神に対する敬意」「四(回手を)合わせ = 幸せに通じる」といったものなどがあげられます。
どれもなるほど納得、と思える理由ばかりですね。

ちなみにいわゆる例大祭(神社にとっては最も重要な祭祀のこと)の時には「二礼八拍手一礼」であるとのこと。
無限大のマークをタテにすると「8」になるからなのか、8という数字は昔から無限を示す数字であると言われていて、八拍手 = 神さまに対する無限の拍手でたたえる気持ちを示すものだ、というのです。
つまり四拍手とはその半分であるから、あくまで略式的なものである、というご意見もあるそうです。

しかしいつ頃から始まったものであるのか、なぜそういう作法を取り入れることになったのか、いまだによくわかっていないということでした。
ですので出雲大社では「二礼四拍手一礼」であることをおさえておけばよいでしょう。

参考までにこの四拍手というのは、神道系の宗教団体にも見られる作法だそうなので、出雲大社のみというわけではありません。
他にも新潟の彌彦(弥彦)神社など、いくつかの神社で見られる参拝方法であるといいますから、さほど珍しいわけでもなさそうですね。

伊勢神宮では…

では出雲大社と並ぶ有名どころである伊勢神宮ではどうでしょう?
伊勢神宮でも基本的には「二礼二拍手一礼」が正しい参拝方法となりますので、混乱することはないでしょう。

しかしながら神職の方は「八度拝八開手(はちどはい やひらて、と読む。8回深いおじぎの後8回拍手)」という特殊な方法で参拝するそうです。
一般の参拝者は行いませんのでご注意ください。
時々神職の方を見て同じようにする方がおられるとききますが、二礼二拍手一礼の作法でよいとのことです。

手をずらすのがポイント!?

なお拍手の際は手のひらを合わせた時に、右手を左手の第一関節付近まで下げてから打つ、といいます。
神道においては左手が陽 (= 霊)、右手が陰 (= 身)として、右を少し下げる → 霊を上位(主体)とする、という考え方があるのです。
参拝の際には意識してみましょう。
拍手2回の後、右手を戻して手をそろえることをお忘れなく。

実はこの作法について「手の節と節が重ならないようにする = 節合わせ(不幸せ)を避けるという意味合いもあるのだ」と教えてくださる神職の方もいらっしゃいました。
そうなるとずらすことは非常に大事ということになりますね。

出雲大社においては、参拝する場所がいくつかありますが、いずれも二礼四拍手一礼の作法で問題ありません
ツアーで行かれる時には、現地でガイドさんがつくこともあり、そちらからも正しい参拝方法について案内がありますので、必要以上に気にすることもありません。
多少作法がスムーズでなかったり間違ってしまったとしても、大切なのは神さまに対する敬意ですから大丈夫です。
安心して参拝していきましょう。