多くの”占いを仕事にしたい”人からのリクエストにお応えしてスタートした「占い1年生」シリーズ。
今回はその中より、自分占いの是非についてご紹介してまいります。
自分のことを占うのはいけない!?
占いを学び始めの頃、特に独学組においては、なかなか友達に対しても占いをやっている、勉強している、と言い出せないケースがあるとききます。
占いをやっている、と言って興味を持ってくれるかどうかわからない、むしろ怖がられたり気味悪がられたりして友達がいなくなるのではないか、などと考えてしまうのかもしれません。
そのため自分で自分のことを占い、ノートに記録している方も多いでしょう。
占い関連の求人にこれから応募を検討する人であっても、友達が少なければ自分のことを占って練習しているケースがありそう。
一般的に病気や寿命、法律に関することなどについては占うべきではない、と業界では考えられています。
餅は餅屋というように、やはりその道の専門家にまかせた方がいいことを、占いで出すべきではない、ということでしょう。
基本的にはそういった「タブー判定」されているジャンル以外であれば、問題なく占ってよいのではないか、と考えられますが、中には「そもそも自分のことを占ってはいけない」というご意見があるというのです。
なぜなのでしょうか。
自分のことは自分のことが一番よくわかっている、と誰しも感じていることでしょう。
ですが逆にわかっているからこそ「これはあのことを言っているに違いない」といった強い思い込みがあったり、あまりよくない結果について「これはナシナシ」といって記録するのを避けたりする方がいるそう。
時にはこの件うまくいってもらいたいな…と念じるようにカードを引き、そこそこいいカードが出ると大喜び。
さながらサイキックの練習のようになってしまうケースもあるとのこと。
これではお客さまを実際に占う、ということになった時、広い視点で見ることができませんよね。
第三者を占う、ということはこれまで何度もお話してきているように、中立的な立場でいなくてはなりません。
占いは中立の立場で! 毎日さまざまな相談が寄せられる占い師の立場で、中庸(ちゅうよう)であることが望ましいと業界では言われています。中庸とは偏らず、中立的であるということ。これがいい、とか悪い、とか決めるのではなく、いろいろな考えを[…]
Q. お客さまからどうしたらいいですか、ときかれたらアドバイスをしたらいいんだろうな、と思うのですが、アドバイスをするべきじゃない、という意見もあって混乱します。本来はどっちなんでしょうか? なぜ「アドバイスをするべきでは[…]
お客さま側に寄せるでもなく、占い師側の主観が入ることでもなく、フラットに結果を出す、ということが求められるのです。
だからこそお客さまに対しネガティブなカードが出た時にどう伝えるか? ということが、いつもテーマとしてあがってくるのですね。
本来お客さまにとっては黒歴史として隠したいことであったり、フタをして記憶の遠い領域に封印したりしていることが、カードを通じてあらわになってくることは、現場でよくある話。
その大切なカードを無視してしまうのはどう考えてもNGといえます。
都合のいい解釈がしやすいがゆえに、自分のことを占うべきではない、という意見につながっていったのではないでしょうか。
占う相手がいないなら仕方がない!?
多くの業界の先輩たちは、SNSなどで無料占いなどで他者を占い、腕を磨いてきました。
当然占い師となったなら、占う相手は自分ではなく他人であるわけですから、他人を占う回数が多いにこしたことはないでしょう。
それでもなかなか占いの練習になるべき他人がいない、という場合には、自分を占うことは絶対にいけない、とは言いがたいものがあります。
業界の先輩の中には、迷う時には1枚カードやルーンストーンを何回も引いてみたよ、とおっしゃる方もおり、結局のところ自分を占うことについて、自分がいいと感じるかそうでないかで決めてもよさそうです。
ただし自分を占うならば、先ほども話に出たように、あくまで「フラットに結果を出す」ことを絶対条件にすること。
いい結果が出ても、よくない結果が出ても、それを認めて受け入れた上で記録し、実際どうだったかを検証するところまでを1セットにする条件であればOKと考えてください。
特に何度も何度も同じカードが出てくる時に、それを受け入れられるかどうか。
たまにこのカードはイヤ、と即座に感じてしまう方もいます。
何度も出てくるカードは強い意味を持つので、逆になぜ出てくるのか、どんな部分に対して強く出してきているのかを考えるべきです。
それがどんなカードであったとしても、きちんと向き合って結果を導き出すと覚悟を決めましょう。
占いはその時その時、お客さまとの真剣勝負だ、と表現する方もいます。
一期一会と思い、真摯にカードを読み取りましょう。
