形而上学っていったい何? 占いをやるのに必要なんですか?

Q. かの有名なドリーン・バーチュー博士は、代々形而上学者の家系とききますが、形而上学って何なんですか?
占いをやっていく上で必要な学問なんでしょうか?

ドリーン・バーチュー博士は形而上学者の家系

オラクルカードといえばドリーン・バーチュー博士のことをすぐにイメージする方が多いかもしれませんね。
その博士は代々(4代)形而上学(けいじじょうがく)者の家系だった、と確かに紹介されているものの、どんな学問なのかよくわからないまま「そうなんだ、ふーん」になっている方が多いようです。

では形而上学という、いかにも難しい字面の学問はいったいどんなものなのでしょうか?

辞書を引いてみると「神・世界・霊などを研究対象にしている学問」とあります。
いかにもオラクルカードで題材にしていそうなワードが並んでいますよね。
そしてものごとの本質について学んでいく、という部分では哲学と相性がよさそうです。

神とは?
宇宙とは?
生きる意味とは?

というような問いかけも、哲学では比較的普通に出てきますし、かぶってくる部分がありますね。

また思考、精神といった部分にもスポットが当たってくるために「目に見えないものを追求していく学問」とされています。
自分の内面を見つめる、ということも最近よく言われていることですが、こういった内側の世界も目に見えないものであり、形而上学の範囲内です。

人の気持ちや感情も形がありません。
また不倫は悪である、というような考えから相談に来るお客さまもいらっしゃいますが、善悪というものも目に見えません。
占いではこういったことに対し鑑定することもありますので、占いとも親和性が高いジャンルといえるでしょう。

なぜ難しい字があてられている?

ではなぜこんな難しい字を使うことになったのでしょう?
形而上学は英語では「metaphysics」といいます。
ですがこれにぴったり合う日本語訳が当時はなかったので、易経という中国の古典からとって「形而上」と翻訳されたとのこと。

physicsとは物理学ですが、これにmeta(高次の、という意味あい)がつくことによってphysicsより高次の世界をさすとされているのです。

近い学問は…

ちなみに占いに使うカード類は、書店などで精神世界というジャンルの棚に並んでいることもありますから、形而上学と精神世界も近しいものがあると考えられます。
なお先ほど哲学と相性がよさそうと申し上げましたが、高校で習う倫理社会も近いジャンルになるので、それならイメージしやすいと感じる方もおられるでしょうか。

要は精神などの目に見えない、内側の世界のことを学問としてつきつめていくのが形而上学であり、哲学や倫理社会、精神世界といったジャンルに近しい、ということですね。

「上」があれば「下」もある

当然形而「上」学があるなら形而「下」学もあるのではないか、と想像しますが、もちろん存在します。
形而上学は目に見えないものを相手にする学問、そして形而下学は反対に目に見えるもの、つまり実体のあるものを相手にする学問
実体がある、ということは、目で見るだけではなく触れることができるということ。
目に見える現実世界が対象になっています。
物理や科学の分野がわかりやすいでしょうか。
つまり今生きているこの世界全般を学問とするのが形而下学となります。

形而上学は目に見えない世界を扱う学問ですから、神や天使などの高次の存在にふれる機会のある占い師にも関連性が高いと考えられます。
ご興味のある方はぜひひもといてみてくださいね。