SNSでよく占い師さんが紹介している「おついたち参り」って何?

Q. SNSを見ていると、おついたち参りということで神社の写真をアップしているのをよく見かけます。
何のためにこういうことをするのでしょうか?

そもそもおついたち参りって?

漢字では「朔日参り」と書きますが、最近占い師さんたちが、毎月1日になるとどこどこ神社で◯◯、という記事をアップすることが増えているのだとか。
その字のごとく、毎月初めの1日に神社に参拝することを指すことばですが、なぜここまでメジャーになってきているのでしょうか。

厳密には「一日参り」「朔日参り」の2通りの書き方があるために、最近ではひらがなで書くようになったといいます。
無事に1ヶ月間過ごせたことに対する感謝と、新しく迎える月の無事を祈願する、という意味合いになるのですが、なぜ2通りの書き方があるのでしょう?

もともと江戸時代に行われていた「おついたち参り」ですが、当時は旧暦(太陰太陽暦)を使っていました。
月の満ち欠けで1ヶ月を決めるものですが、この場合の1日は新月でいわば「月が見えない日」。
別名「朔日(さくび)」とも言い、ここから「朔」の字が使われるようになったといいます。

毎月行うことが大切!

別名「月参り」とも呼ばれますので、毎月行うことが大切なのだとか。
ちなみに神社かお寺、どちらに行くかで迷う場合は行きやすい方でかまわないとのこと。

現在は新暦になっており、基本的には毎月1日に参拝する = おついたち参り、というニュアンスで問題ないそうです。
ただ昔ながらのものを味わいたい、という場合はぜひ新月の日に訪れてみてください。
ただし月齢がゼロとなる時間というものが決まっているために、そこを過ぎた時が本来の1日になる、という点には注意が必要です。
月齢カレンダーなどをしっかり確認しておきましょう。

先ほども申し上げたように、無事に1ヶ月間過ごせたことに対する感謝と、新しく迎える月の無事を祈願する、ということが大切ですから、毎月1日でも新月の日でもどちらでもかまわないのです。
むしろ自分ではここがどうもパッとしなかった、がんばった割には結果が出せなかった、そういう部分を振り返って、次こそ成果を見せるので応援してください、と決意表明してはいかがでしょう。

おついたち参りってどこに行くの?

ところでこのおついたち参り、いったいどこに行けばよいのでしょう?

伊勢神宮まで足を伸ばすのか?
それとも自分が叶えたい願いに強い神社を探すのか?

…それほど気合を入れる必要はありません。
格式うんぬんよりも、まずは自分の氏神さまにしっかりあいさつをしておくことです。
引っ越しすることで氏神さまが変わってしまった、どこだかわからない、という時には住んでいる都道府県の「神社庁(じんじゃちょう)」に相談するのがよいとのこと。
たいていは一番自宅から近い神社であることが多いといいますが、心配な方は神社庁で確認しておきましょう。

毎月地元にいるとは限りませんが…

一方、ふだん出張が多く必ずしも月初に地元にいるわけではない、という方の場合は、別な神社に行って問題ありません
可能な限り氏神さまに行くのがベストではありますが、特別な事情がある場合、無理して氏神さまにお参りしなくても大丈夫なのだそう。

参拝する時には以前にご紹介したような、一般的な作法で行いましょう。

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きちんと感謝を述べよう!

あくまでも無事に過ごせたことに対する感謝を述べることがもっとも重要です。
神社はお願いをするところではなく、感謝を伝えるところです。
そしておついたち参りでは、ふだんとは違い「おついたち参りならでは」の授与品もあるそう。
お札の一種である「月次御幣(つきなみごへい)」などがよく知られています。

神社により授与品は変わるそうですから、事前に確認しておくとよいかもしれません。
毎月の参拝で、新たな気持ちでスタートを切りたい、きちんと毎月の自分を振り返ってみたい、という方はぜひお試しください。