現役占い師が実際に使用しているタロットカードにスポットを当て、どんなカードか紹介していくシリーズです。
今回はインナーチャイルドカードを取り上げます。
誰にでもいる!? 「大人の中の子供」
おとぎ話をモチーフにしていることから「フェアリーテイル・タロット」とも呼ばれている今作。
長い間英語版しかなかったにもかかわらず、非常に多くの方から支持されていたそう。
2010年にようやく日本語版が発売されたとのことで、専用の講座もチラホラ出始めているほど人気を集めています。
そもそもインナーチャイルドとは、大人の中にいる子供の部分のこと。
残念ながらたいていの場合、ネガティブなニュアンスで使われることが多いようです。
子供の頃の習慣や考え方を、大人になった今も手放せずに残している、というところからでしょうか。
大人になっていたとしても、インナーチャイルドは誰の心の中にもいるのだといいます。
どんなに立派な大人として暮らしていても、インナーチャイルドがいきいき楽しそうにしているわけではありません。
むしろ心の奥に深くしまいこみ、押さえ込んでしまっているのかもしれませんね。
そんなガッチリ押さえ込んだ純粋な部分、本音を引き出してくれる助けになるのが今作。
作者はイシャとマークのラーナー夫妻。
子供でもわかりやすい、占いやすい、そして怖くないタロットを、という願いをもとに作られたのだとか。
研究の末に、おとぎ話や神話をタロットに置きかえることで誕生したのがこのインナーチャイルドカード。
有名な童話が多数登場し「なるほど、この話のテーマはこんなことだったのか」と腑に落ちることうけあいです。
気になるサイズ感は?
カードの大きさは約10センチ×約15センチとオラクルカードよりもだいぶ大きいサイズになっています。
まるでガリバー旅行記の世界にでも入り込んでいるような気持ちになりますが、よくよく考えてみれば子供の頃の自分に戻って、自分の中の子供である自分を癒やしましょう、というのが目的のカードなわけですから、子供の目線で見るならカードが大きく感じるのも無理はないか…とも思えますね。
今は普通の大きさに見えるものも、子供の頃は大きく見えた、その時のことを思い出しながら使ってみてください。
裏面は正逆の区別がつかない仕様。
どんなカード?
カードは大アルカナ22枚+小アルカナ56枚の計78枚フルデッキ。
通常カード占いに代表される卜術においては、質問(占的)をしぼりこむことが重要とされていますが、インナーチャイルドカードでは「私の内なる心の声を教えてください」というような、オラクルカードによくある質問の仕方でも占うことができます。
この場合「対自分」なので心理セラピー風になりますが、自分の内面を見つめるのにも最適。
そういう側面からも心理・精神系の質問が得意分野のカードといえますので、苦手な人とはどうつきあっていったらいいのか、というような質問にもお使いいただけますよ。
しかも逆位置を採用しないことで、どれも肯定的な内容になっているため「こんな結果イヤ」と感じにくくなっているという大きな特徴があります。
そしていわゆる1枚引きが基本になっているので、複数枚数を融合させて読む「コンビネーション・リーディング」がどうも苦手だ、という方にもおすすめ。
ちなみに今カードではマルセイユ版と違い、大アルカナ8番が「Strength (力)」、11番が「Justice (正義)」という並びになっています。
小アルカナは「魔法のワンド」「真理のソード」「翼を持つハート」「地球のクリスタル」にわけられていて、いわゆるコートカード(宮廷カード)では、ペイジが子供、ナイトが探求者、クイーンがガイド、キングがガーディアンという表記。
付属の解説書は240ページ超もの大ボリューム。
カードが飛び抜けて大きく少し扱いにくいかも
いかんせんカードが大きめですので、オラクルカードに慣れている方であっても、シャッフルしづらい、シャッフルを慎重にせざるを得ない、というご意見が多いようです。
1枚引きが基本ですので、先ほどのような質問以外なら「はい」「いいえ」で答えられるものではなく、○○に対するアドバイスをください、今必要なメッセージをください、というような感じで引くとよさそうです。
その場にいない人のことなどは、アドバイスを必要としないため注意。
あくまで「自分のこと」として「自分が」こうありたい、こういうことをしたい、という部分を明確にした上で質問を選んでいきましょう。
まずはリーディングを直感的に、カードから受けるイメージを大切にしてみてください。
どんなものが浮かんできたでしょうか。
仮にカードから受けるイメージと、解説書の内容に違いがあるようであれば、ご自身の直感を大切にしてみてくださいね。
迷った時に、自分の行く方向への道標としてぜひ1枚引くところからスタートしてみてください。
気に入った方はぜひ「インナーチャイルドカードワークブック」と合わせて使ってみましょう。