日本語版の占いカードが手に入らない時にはどうする?

Q. オラクルカードによく日本語版というのがありますが、なかなか手に入らないものがあります。
英語が苦手なため、どうしたらいいか本当に困ってしまいます…

なぜ日本語版が品薄に!?

2017年、占い業界がザワついたことを覚えているでしょうか。
あのドリーン・バーチュー博士がオラクルカードの製作から卒業する、と宣言したのです。

博士は2017年に洗礼を受け、クリスチャンとして生きていくことを決意したものの、聖書の教えでは占いでの未来予測、偶像崇拝などは禁止しているため、これまで出してきたオラクルカードなどから自分の名前をはずしてほしい、出版を停止してほしいと、アメリカの出版社ヘイハウスに連絡をしたといいます。
これにより博士のオラクルカードは販売を終了する方向へとすすんでいくことに。

日本でオラクルカードを多く取り扱っているライトワークス社も、博士のオラクルカードの製造および販売を終了する声明を出しています。
同社のHPにも在庫限りで販売終了が決定した商品が随時掲載されていますね。
もちろん紙のカードだけではなく、アプリ版も順次終了していくとのこと。
これにより、日本語版のオラクルカードが手に入りにくくなってしまったのです。

タロットではきかない問題…

タロットの場合、ウエイト版かマルセイユ版かどちらかに準拠していることが多いため、仮に海外メーカーのLo Scarabeo社やUS GAMES SYSTEMS社の作品を購入した場合でも、絵柄の解釈にさほど困りませんし、付属のガイドブックなど開いたこともない、とおっしゃる方さえいます。
やはりタロットにはいろいろな決まりごともあり、多くのカード作家たちも、伝統的なタロットに敬意を表し、あまり突飛な作品は発表してきていない印象です。
そのため既存のウエイト版なりマルセイユ版なりの解説本を持っていれば、特に問題は起きませんでした。

しかし自由度の高いオラクルカードにおいては、作者の「色」が濃く出てきますし、自分が表現したいものをより強く反映させることができます。
情感豊かな物語性や、神話などにインスパイアされたものなどでは、ガイドブックやカード名に作者の「思い」が大きく影響してくるところ。
それゆえにこれらの「内容」というのは非常に重要視されるわけです。

そもそも日本語版が出ていないケースも

しかしながら、本件のようなことが起きる、あるいはまだ日本語版製作に誰も着手していない、というケースでは、当然日本語以外の言語で発売されているものに焦点があたってきます。
ガイドブックは最初から見ず、絵柄だけで読み解くタイプの方ですと、言語が何であってもかまわないわけですが、意外に占い業界には「英語が苦手」という方が多いようです。

苦手なので翻訳すらしたくない、という方もおられるがゆえ(実際あるオラクルカード講座で、講師が生徒に向けて引いたオラクルカードを「英語がよくわからないので絵柄で説明しますが」と前置きして解説したケースがあるそう)、日本語版がなくなるのは死活問題であるとばかりに、今日本語版が高騰する事態になってしまっています。
では日本語版がなくなったらオラクルカードは衰退するのでしょうか?

世界各国の言葉で出版されている!

ところがそんなことはありません。
博士のオラクルカードは多様な言語に翻訳され、今まだ市場には出回っています。
そのため腹をくくって翻訳してでも使おう、カードが傷む前に予備のカードを、と考える方が増えて、日本語以外の言語のバージョンに注目が集まっています。

博士の作品の中でもラドリー・バレンタイン氏との共著になっているものについては、すでに同氏の単著版が出てきているので、時間がたてば手に入る可能性はありそうですが、博士だけの作品についてはもう今あるだけになってしまうために、現状すさまじい「争奪戦」が繰り広げられています。

とりわけ英語版の場合、多少学校で学んだ方もいるので何とかがんばってみよう、となるのですが、多くの人が同じことを考えるようでまず英語版が品薄に。
次に大学で学ぶ可能性が高いフランス語版・ドイツ語版・スペイン語版などにシフトチェンジされ、現在ではスウェーデン語版(!)も売れ始めているとのこと。

買わずに迷う方も…

一方で買おうかどうしようか、長い間躊躇し続けている人もいらっしゃいます。
理由は海外で発行されている = 海賊版ではないか、という懸念が大多数。
特に最近フリマアプリなどでは、大量に海賊版らしきカードが見受けられ、評価などでも海賊版だった、と訴えているケースが散見されます。

アマゾンなどの大手サイトでも、海賊版が紛れ込んでいるという報告があり、欲しいのはやまやまだが勇気が出ない、ということのよう。
海賊版の問題については、過去記事もご参照ください。

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まずはレビューなどもしっかり参照し、可能であれば出版社から直接買うことです。
翻訳ソフトを使いながら購入する形にはなってしまいますが、それでも苦労して手に入れた商品であれば喜びもひとしおです。
海外から購入する方法についても、以前ご紹介させていただきました。

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または海外サイトの購入代行に頼むやり方もあります。
しかしながらこの場合、購入先サイトの制限があったりするそうで、その会社の購入可能サイトのリストに入っていないところからの購入代行は断られてしまうケースも。

次に多いのが、日本製とくらべて印刷が雑だったり、カードの質がよくない、という品質問題
基準が日本よりもゆるい場合が多いので、日本ならありえないような箱のへこみ、カードの折れ曲がりやシワ、カードが1枚たりないなどのトラブルが報告されているせいで敬遠されるのかもしれません。

海外の正規品を選ぶポイントとは

絵柄に関しては言語が変わってもほぼ同じになっていて(1枚だけ違う絵になっている、というパターンはあったよう)、サイズ感も正規品であればだいたい同じであるそうなので、箱のISBN番号(国際標準図書番号と呼ばれ、登録出版者の責任において書籍の書名(タイトル)ごとに付与される番号のこと)を必ず確認してください。
この番号がついていないなら買わないほうが無難です(ただし一部自費出版ものにはついていないこともあります)。

きちんとした出版社から出ているものにはこの番号がついていますので、ひとつの目安としてください。
ひとりでも多くの方の手に、お気に入りのカードがゆきわたることを願ってやみません。