【大いなる誤解】タロットは怖くも何ともない

巷ではタロットカードは怖い、物騒だ、タロットカードで呪われる、など何やらおどろおどろしい意見をしばしば耳にします。
ですが、それは大いなる誤解であり、タロットは怖くも何ともありません。

タロットにはこんな歴史がありました

そもそもタロットはもとはゲーム用のカードでした。
それが19世紀頃、フランスの有名な思想家レヴィ氏が「タロットには古代の叡智が秘められている」と言ったことにより、彼に傾倒していた多くのオカルトマニアが注目し始めたのだそうです。

その一方でかの有名な秘密結社「黄金の夜明け団(ゴールデン・ドーン)」が自作のタロットカードを作り始めました。
中でも戦争中であることをものともせず、タロットを制作する活動をし続けたのが、世界で一番有名なタロットともいわれるいわゆる「ウェイト版」の作者・ウェイト氏。
説明書を読まなくてもカードの意味がイメージしやすいように、わかりやすい絵柄や正位置・逆位置の採用をしたのだと言われています。
さらに詳しいタロットの歴史については、以前にもご紹介させていただきました。

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タロットには吉凶がない!?

直感的にわかりやすい、というところから、怖いという感情が生まれてくるのでしょうか。

さて描いてある絵が怖い、とのことですが実はタロットには吉凶がありません
つまりいいカード、悪いカード、という概念がないのです。
怖いか、そうでないか、というのは見た人が判断しているだけにすぎません。

ちょっとダークな色味のカードは「何かおどろおどろしい」
明るいカードは「何かよさそう」

というのも、見た人がこれまでの経験により「そう感じているだけ」ということなのです。
とりわけ怖いという方が多い「死神・悪魔・吊られた男」についても、たとえば

死神=死を連想し、自分が死ぬと思い込んでしまう
悪魔=すごく悪いイメージで魂を売らなくてはいけないと感じる
吊られた男=何やら苦しそうで、自分も宙吊りにされると勘違い

こんなイメージがかなり広がってしまっているようですね。

そうはいっても怖いものは怖い…

仮に「死神」を例にとってみましょう。
死神のカードを見ると「死ぬこと」だとイメージする人は多いようですが、実は単なる「終わり」を示すだけだったりします。
とはいえ、終わり=人生の終わり、とカンタンに結びつけないでください

なぜ連想ゲームのように単純にそうとらえてしまうのでしょう?
世の中終わるものはいろいろあります。
連続ドラマだって最終回があるのです。
長寿番組というのもありますが、それもいつか終わりを迎えます。
よくよく考えれば夜12時になればその日は終わるわけです。
終わらなかったら日付が変わらない、つまりいつまでたっても明日が来ない、というとんでもない事態に。

おそらく死神の絵を見て死ぬことだととらえるのは、昔のドラマや小説などによくあった、死神が大きなカマを持って死ぬ時にやってくる、というエピソードが原因なのでしょう。
そのイメージがあまりにも強すぎ、死神のカードが出ると「死ぬんだ!! 」と連想してしまうよう。
多くの人は死神のカードが終わり(他には停滞や再生の意味もあり)であるということを知りません
それがまたさらに恐怖をあおるのです。

怖さをあおる本当の要因は…

人間知らないことに対しては、少なからず不安や恐怖を感じてしまうものです。
その最たる例があのコロナ問題でありましょう。

コロナとは何ぞや?
なぜあのようにコロコロと新種の株ができるのか?
ワクチンを打っているのにかかってしまうのはどうしてなのか?

5類に移行した現在でもまだよくわかっていませんね。
そして中国などではまた感染者が増えているといいます。
だから恐怖を感じるのです。

不安や恐怖の源は「無知」なのだということ。
正体がわかれば怖くないのです。
夜、明かりがほとんどない道を歩くのは大人でも怖いと感じるでしょう。
その先に何があるのかわかっていないからです。
道があるのか、橋があるのか、そもそもどこにつながっていくのか。
そういったことがわからず、手探りでおそるおそる進むから、なおのこと恐怖に支配されてしまうのだ、ということです。

だから死神のカードが終わりや停滞を表すのだということを知っている人は「ほほー、そうなんですね」と特に恐れたりはしないはずです。

昔はこの恐怖感がうまく使われていた!?

昔の占いにおいては、やはりこういう「イメージがよくないカード」が出ると、吉凶的な読み方が存在していたようです。
「よくないカードが出ている! だから私の言うとおりにしなさい」というような占い師が本当にいたのだとか。
しかし今はそんな時代ではありません。

考えてみてください、どんな人生でも山があったり谷があったりするものです。
なのでいい時も悪い時もあり、たまたま悪い時期にさしかかってしまっているだけだ、と思考を変えたらどうでしょう
少しイメージが違うのではないですか?

実は「乗り越えなければならない」ニュアンスだった

タロット占いで有名な愛月日奈子先生は「タロットの世界において良い、ということは教皇が決めたのだ」と語っています。
教皇が決めたことは世の中の常識や親・先生からの教えであり、みんなが「良い」と信じることであると。

タロットの大アルカナ22枚は0から21番までの一連の物語である、ということをご存知の方は、カードを順番に並べてみてください。
先ほど登場してきた、みんなが怖がるカードシリーズは「12・13・15のカード」ですから、中盤から後半に出てきます。
しかし教皇のカードは5なのでかなり前の方にありますよね。
教皇のカードにとどまれば、最後の世界のカードには到達できません。
またそこに到達するためには教皇のカードから出ていかなくてはならないのです。

出ていく以上は、自分の思い通りにならなくても、つらい時期を経験しなくてはならない、ということなのですね。
この時期を通過することは必要なプロセスである、と考えることができれば、この先のことを思えばこれでいいんだなあ、と意識を変えられそうです。

それでも怖くてタロットが使いづらい…

それでもどうしてもカードの絵柄がイヤだなあ、と感じる方は、そういうイメージの少ないカードを選ぶのがよさそうです。
占い業界においても、こういった問題は昔からあったため、怖くない雰囲気のタロットカードが作られ始めています。

海外のカード作家の方々だけではなく、日本国内でも作られていますので、探してみるとよいのではないでしょうか。
とりわけ動物モチーフのカードが人気になっていますが、天使妖精もの、水彩画のようなやさしいタッチのものも支持を集めているようです。
美男美女しか出てこないカード、なるものもあるとか。

そういうものを使いながら、このカードにはこんな意味があります、だから怖くありません、ときちんと説明してくれる占い師さんなら安心できるかもしれませんね。